29-163 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 人間の怖さ
『人が非常に多いんだな。ここなんて立派過ぎて、有名な大都市の王宮よりもしっかりしてるな。』
帰りに車に乗りながら…エルマさんが外を見て呟いた。今回はスマホを持たせたままだ。
「そうだね、統計しているからだけど一億人はいるよ。」
『一億?ってなんだ?』
「あ、そこが知らないんだ。」
一応数字の単位を知らないらしく説明するんだけど、単位の説明をするにつれ…どんどん顔が青くなっていった。
『そんなに人間がいるのか?そんな凄い国なのか?』
「これでも…そこまで凄くないね。海を渡った隣の国は10億とか言っているし。」
『そんなにいれば確かに…勇者が多くてもわかるな。人間の数がゴブリンを越えているからな。』
そう言えばファンタジーのゴブリンの数って地味に…人間よりは少ないんだよね。そう考えると人間って怖いわ。
そしてその日は、そのまま豪邸に相部屋で泊まらせてもらった。明日は安曇野に行かないといけないから。ただし、部屋からは出られないが、会議は即座に行われた模様。ただし声は明るく…そこまでではない模様。
『大方、モンスターの件が本当か疑ったと思うぞ。・・・出たら責任取らせるつもりで構えていたと思う。』
『確かに…』
機密も絡めてアプリでの会話に終始した。そして、まあ無言を通して食事だけもらって寝た。まあ、次の日までに何も起きないため…それ以上は、ダンジョンギルドが決めた普通の職員が何とかしてくれ。




