29-162 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 活用法
その後の交渉前に私は階段に出てきて黒服の前でわざと、階段前の土がダンジョン出ないと証明した。
「ダンジョンの場合はまず刃が通らず、銃だろうはじき返します。…でここがそうでないという事は、ここを工事して地下に部屋を通じさせれば…ダンジョンの活用も出来ます。内部は迷宮状で例の浅草ダンジョンの話もあります。人が通えばいずれダンジョンも育つでしょう。」
「ありがとうございます。でもダンジョンですか…。公表の必要はないんですよね。」
「一か月に一度、ダンジョンギルドの職員が確認に訪れます。その時に…ダンジョン入り口の状態さえ確認させてもらえれば十分です。」
これ自体は元々依頼を受けた時に決定していた。これでこっちの管理責任を回避する狙いだ。最悪この家を譲ってもらえればダンジョンを公開して稼ぐこともできる。
「色々、私も考えさせてもらいます。でも地下に通路を作って…埋めてもいいとは…考えませんでしたね。息子の部下の一部を浅草に向かわせて訓練させていますが…息子とも協議しましょう。」
「ふむ…でも埋めてもいいのでは?」
「そこはお任せします。ただし埋めた場合…内部に長大な空間ができた福岡型になる恐れもあります。」
軽く脅すけど、実は現状を伝えた今。埋めた場合はその土を掻き出して餌にできるらしくて、そっちの方が有利だったりする。ダンジョンも範囲指定すれば…たとえ鋼鉄の塊で塞いても…その鋼鉄の塊を餌にできるのだ。広さに限界あるけど。そうなるとダンジョンをふさぐという選択肢はかなり…愚かだと言える。
「福岡型ですか。今度こそ公安の連中がこの屋敷に乗り込んできますね。それは…。」
どう見ても優しい老夫婦なのだが、言葉の端々に危なさを感じる。
「それにダンジョンは今人気でして…それを埋めて放置するのはもったないかと。」
一応セールストークをしてみる。ダンジョンを破壊
「ダンジョンの破壊はできない…ですよね。」
「部屋の形状は確認しましたし、今回の奥まで行きましたからそこには何もないですね。」
いや、嘘だがエルマさんが説得した内容に”メイズ”とかにするようにという話があってそれがあの迷宮型だという。というより、あの状況だとこっちが動くまで…あの無人部屋だったはずなんだよね。だから微妙というか…
「分かりました。ありがとうござます。後は、家で相談します。」
「お願いします。では。」
緊張しながらもその場は終わり…私達は帰った。




