29-160 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 神戸
まず定番の…毛糸の帽子をエルマかぶせた。これなら、肌の白さもあるからロシア人で通じるだろう。
『なんか…こんなに…でもそうか、人間が多いからな。』
一応エルマさんの種族は”ノーブルヴァンパイア”らしい。で、
『太陽きつい。うっワ。』
驚きながらも車に乗せます。
『ゴーレム車手配してくれたのか。感謝する。』
「いや、自動車だよ。運転は私だから。ほら、取りあえず、荷物も載せたから行くよ、最初は…近場の旧家から行くよ。」
まあ当然と言えば当然だけど乗せたのは私の軽だからね。
「わかった。」
まあ、シートベルトを閉めさせたが、当然、謎の言語でワーキャー言い始めた。ガチで、あの人翻訳機使わないと喋れないと覚えてないのかな。そして、朝に出発して。大体昼ぐらいには、神戸についた。
『本気で早いな、これは驚いた。これがあれば…あのお方の旅も楽だったろうに。』
いうのもわかるが、彼女を車に突っ込んだうえでコンビによって、ジュースとか買ってきて…実際の異世界物とかの日本来訪はこんな感じなんだろうな。
「あのお方って?」
『我が主と…我が主に匹敵する方だ。二人がいるからこそ、わがダンジョンは成り立つし、今も…裏で情報収集などを行ってくれるし、例の箱の件も主が尽力してこそだ。』
あの箱…今回も持って来てるんだよね。・・・んで旧家というか豪邸だな…しかも俗にいう山の上のお屋敷感ある…そう言うお宅だ。
「職員さん良くいらっしゃいました。」
出迎えてくれたのは老夫婦でこの夫妻が…この家の当主らしい。但しお手伝いさんとはおらず、経営は息子に任せて悠々自適生活だという。
「我が家にダンジョンなる物ができると思わず…。」
「そう言う話は…意外とありますよ。」
「自衛隊に土足で踏み荒らされるのが嫌でしたから。」
実際豪邸でこの家を…最悪格で滅ぼすとか言われると反目したくなるのが分かる。今回2名の制限が付いたのも、荒らさないという確約の為だろう。
「分かります。ではその部屋にご案内ください。」
どうも聞いた話そこは…ダンスホール…があるのも驚いたがダンスホールで広めの部屋だったがダンジョンができたと同時に警戒したのは…当然スタンピードだ。そこで…そこを大量の家具を置いて封鎖した。そこには、老夫婦に雇われている感じの…黒服の皆さんがいた。なんか、この老夫婦…実は怖い人じゃなかろうか。私も戦闘服である”浴衣”に着替えてエルマさんはこっちが用意した普通の服に着替えていた。
「それで大丈夫なんですか?」
「大丈夫です。」
エルマさんは何か言いたそうだが、言わないように厳命してある。言えば当然…わけもわからない言語をしゃべるのがばれそうだったからだ。エルマさんには荷物をリュックに背負わせていた。これが無いと不味い事が多いからだ。
「それでは。」
黒服の皆さんが家具をどかしていくと、ダンスホールの中央に下り階段が出来ていた。
「では調査しますが…皆さんは部屋から出てください。危険とは言いませんが、最悪モンスターが出てくる恐れがありますのでそれ対策で出入り口は見張ってください。」
その言葉に黒服さんたちは頷いた。私たちがダンジョンに潜るとそこは…大きな部屋になっていた。ボス戦という感じか…。
『*****!*********!』
ダンジョンに入るとそこで謎の声が聞こえてくる。私は携帯を取り出した。が部屋には誰もおらず、そして…私達の前には誰もいない。
『我が領域の侵入者よ!このまま…。』
そしてエルマさんが箱を開け、交渉ボタンを押す…いやあ、ガチでかわいそうだから言い分聞いてあげようよ。そして私の警戒は…出入口に向ける。
『ここにきて大手か!どういうつもりだ!』
『私達は、今の現状を知らせに来たんだ。…君たちは今…何もできないまま主に泥を塗るぞ!』
どうも千鳥万花とかいうのはダンマス的に大手とか言っていたから、エルマさんの世界的に企業とかなのか?
『…あの閉鎖を解けないからな…暇で死にそうなんだ。』
『我々は君たちをある意味助けに来た。交渉しよう。』
前のオウルさんの時は奥に追従者が来にくい場所だったが今回は違う。警戒はしている、
『まあ、話は聞いてやる。私も主に責任を負わされる者。このままでは何もできずに…不忠義になってしまうからな。』




