29-154 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 ダブルスパイな調査依頼
そして、まあ、時美さんに報告に来た。部屋はギルド内のある応接室ではなく…時美さんの東京での家だ。なおダンジョンギルドの職員という事でマイホーム融資を受けての俗にいう事故持ち一軒家を購入した。良く買うなこの人。場所は…浅草の対岸の元向島のぼろい一軒家となっている。
「そう言う事だけど…まあ、今はこっちで忙しいから。お願していい?今、ギルド内部は厄介なのよ。」
「そうなんですか?」
「あなたと、後数人、相場ケミカルに出向役員4名送る代わりにあなたにはここに行ってほしいわ。順番は任せる。」
ここにきて紙とアナログだが、これが一番スパイ対策になるという。そして紙に書かれていたのは4件のダンジョン?
「浅草ダンジョンが有名になってから4件の発見申請が来たの…全部非公開のダンジョンなの。其れの間引き研調査に向かって欲しいのよ。」
「自衛隊がいるでしょ?』
「全部極秘よ。…こればっかりは仕方ないわ。、まずは目を通してから…後はあなたに全部人員の手配も任せるわ。」
4件のダンジョンの調査…これは厄介な。
まず一番東京から近いのは、”安曇野ダンジョン”だ。全部呼称が書いてある。ここは非公開の理由が自衛隊や他人にその土地に入って欲しくない…である。場所は皮肉か”有名企業のブドウ園ど真ん中”という
最悪の立地だ。ダンジョンからモンスターが出ればスタンピードも怖いが、それ以上に…自衛隊の評判の悪さが問題で不信感が強いのが欠点だ。このワイナリーのブドウを作るに70年かかったとか何とか。そうなると肥料も含めかなりの調整になっている。そんな土の配分とかを弄った畑のど真ん中にあるダンジョンは…自衛隊がその周囲に陣営を張るだけでも…その畑を潰す話になってしまう。そしてワイナリーも地方の豪氏となり…当然地方議員や県知事ともパイプが深い。だからと言って変に”冒険者風の衣装をした人”が来ればダンジョンを疑われる。その為、調査員の人数を一人か二人と制限していた。しかも普通服のみ。という制限だ。何とも言えない制限だがこのワイナリーのワインを潰すぐらいならスタンピードでも起きたほうがましというのが考えだ。なお、ダンジョンがばれた場合は25兆とかの賠償金とかという話さえ出てる。それ位…被害がひどい地域だ。その為にダンジョンギルドも困難だと考えている。
そして2番目は…”秩父坑道直下ダンジョン”と呼ばれる場所だ。どうも、廃坑地下にダンジョンができたらしい。謎のダンジョンができた事で、各地の市役所管轄の廃坑や廃墟の確認を行っているところに発見された・・・我がガチャダンジョンよりも状況の悪いダンジョンだ。閉山した石炭鉱山の最奥で…ここは私達のダンジョンい地よりもさらに”ダンジョン観光地化”には向かない。何しろ鉱山までが遠い上にさらに鉱山から4km歩いた先の地下深くのダンジョンだ。…ここは発見時には何もなかった。が、私たち的にはスタンピードの可能性が高いダンジョンだ。ここに来る人なんているはずがないんだから。が、自衛隊の突入は別の意味でストップがかかった。日本の炭鉱の多くは…掘り尽くした廃坑ではなく、価格的に海外に値段で負けた廃坑だ。だからこそ、石炭などの燃料が残っている。…だから…この位置を知られると外国勢が実効支配しかねないという…もっとも秘匿性の高いダンジョンとなった。なので、当然自衛隊は送って位置をばらす必要はない。なお…調査は一回行って…ダンジョン最奥まで到達してダンジョンが消滅しない野は確認済みだ。そこの学術的調査が私の仕事になる。




