29-141 N&D夏・ミミック 秘密裡に宴会
バーベキューの話をすると、オウルさんに連絡し、というか取引先の接待をしたいという話で…私達は緊急で買い物に行くことになった、河原でやれることを異世界人に教え込むという内容だが、これにはさすがに私も予算が足りんと思って時美さんに連絡した。社長?社長の財布と今の私の財布は一緒だよ!
「で、あんたらか。」
「まあ、そういう事です。」
来たのは…時美さんと一緒のダンジョンショ庁の四国地方局の二人だ。後は嘱託職員という信用できない奴らか彼らしかしない。その二人が地元のショッピングモールの駐車場に来ていた。
「一応、こっちで3000円までは切るのと。会計は誤魔化しておくので…。」
「知ってるのか?」
「何かあるんです?弟さんの大事な取引先で、ほらあの会社はダンジョン関連で受注した集団って事で融通働くようにこれ。」
手渡されたのは一万円札だった。
「一応、ポケットマネー混ぜてますし、接待である程度出せるんで。後、地元のスーパー使ってくださいね。変に高級な場所に行くとばれますからね。」
そういうと、二人は帰っていった。あの二人クールというよりドライだろ。
「ああいう物?」
「一応えらいらしいよ、この辺のダンジョン関連の企業…例えば家とかに天下り押し付けられるっていう程度にはね。」
「えー、あの二人が部下?いやだよ。」
「どっちかというと立場的には共同経営者とか上になるぞ。」
「それもっと嫌。」
一応、ショッピングモール内のスーパーで飲み物と、地元の肉屋でそこそこの肉を買って来た。そして、長距離を帰ってくると、ダンジョン内に入る。そこには研究員2名とエルマさんと…オウルさん…とメイド服5名がいた。というか、また外見違うんだけど。そして、野菜などを準備して、桶に水を入れ、野菜を冷やしている高林兄弟夫妻の姿があった。
「肉と飲み物狩ってきましたよ。酒は…。」
エルマさんとオウルさんが首を横に振る。
「私は酒が苦手なんだ。エルフは基本酒に関しては苦手でね。甘い酒がぎりぎりだが、酒精は少ない方を好むぞ。」
いつの間にか私の横にメイド服の一人が肩に手を置いていた。
「儂もじゃの。苦手でのぉ。特異な者は…それこそ…おらんな、儂等には。」
オウルさんも周囲を見わたしたうえで、否定した。
「シルキーさんたちもですか?」
その言葉に改めてオウルさんが周囲を見渡すが全員首を横に振っていた。
「儂等の所だと酒があまり美味く無くてのぉ。一応土産として二つ。これとこれを持ってきたのじゃ。でもまあ…大家にならんと上層部に言われてのぉ。」
そういって取り出したのは…木樽に入った…何かと、何か白い肉だ。
「それはあれですな、ウサギの。」
「そう、捌いたウサギ肉じゃの。」
ウサギ肉…あれか。前のダンジョン構想の際にこっちに提供する予定のお肉か。エルマさんははじけるように明るい顔だが…
「というか、リッキー君とかは?」
「ああ、研究員さんが呼びに行ったけど、なんか予想外のことが起きて、少し遅れると。」
「なんかあったんか?}
「うーん。分からん。とりあえず接待で肉を焼くぞ。焼きそばとうどんも持ってきたから。」
「あ、あれですか?」
「近くの製麺所の者ですよ。焼きそばの麺も売ってたのでそこで。」
意外とうどん屋でに行くと製麺機があるので、そこで焼きそばを作ってもらった。予算があるって素晴らしい。




