29-133 N&D夏・ミミック 夏が恋しく、ダンジョンを売る店
エルマさんが徹してくれたのは、新築の…食堂だった。その内部でエルフの女性が働いていて。エルマさんが警備員服で座っていた。
『ネタが詰まっていてな。』
「いきなりですね。」
私も席に着くとエルフの少女が水を持って来てくれる。
『ダンマスの宿命というか、ダンジョンを拡張する際に常にギミックやコンセプトを考えないと、収益が下がる。そして難易度も上げないと…すぐに突破されてしまうから…悩ましいのだよ。』
「大変だねぇ…そういうのに悩むのは万国共通って事か。」
『そうなのか?』
「こっちの色々考えて設計とかするからな。」
うちの会社の特性上よく条件に合う化学物質などを探して提案するのだが…それが提案先に気に居られるとは限らないし営業でプレゼンしても噛み合わない方が多い。その為の試供品を持って担当と話してずれていることも多い。そうなると帰ってから頭を抱えるのだ。まあサンプルの容易とかもうちらの仕事なので、こういうのが仕事と言えば仕事だが。
「でもさ、頼めばいいんじゃね?オウルさんとか。」
『高いんだ。大方今までの収益吹き飛ばすぐらいに高い。その上それが噛み合うかもわからん。』
「そうなのか?」
『当然です。そうだな、ちょっと頼んでみて、試供品を頼んでみよう。』
「試供品?」
『一応前に聞いた時に、ほぼ誰も利用しないサービスにダンジョンの設計などを体験してもらうサービスがあるんだそうだ。本決定時には購入となるが。』
「モデルハウス。」
『その言語に聞き覚えがないな。頼んでおこう。とはいえ…問題もある。』
「何?」
『分かってるだけで毎週3種類、現在数百の部屋がある。絞らないと取り寄せてもらうにしても問題がある。そっちで決めてもらえないか?』
なんか厄介なことになってきたな。ダンジョンの部屋の種類で数百もあるのか?




