29-125 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 ベラミー遺跡(7)
私達はベラミー遺跡には半日滞在しモンスターを狩りまくり、全ドロップはプレハブ小屋の地上に持ち帰るところから検証され…分かったのは…この遺跡のアイテムはダンジョンから出ると全部霧散し消滅する点だ。
そして…ダンジョン内の検証でも…言っては悪いが大した期待が持てるドロップはない。宝箱にあった銅貨は混ざり物の多い粗悪品で溶かし直すと大体2%から4%残ればいいというくらいの純度だった。しかも
ダンジョンから出れば消える。そして何より…レベリングの方も2回行えば全員…私たち転職組以外はカンストできたので無事…WIKIの書き方が正しいなら”2次職”に転職した。近江さんは”魔法研究者”となり
スキルとして”生活魔法LV1"及び”魔法学LV1"の能力を得た。魔法の原理についてふわっとした知識があるという物だ。そしてまあ、世界初の地球さん魔導士であると思われる近江さんは…そのままダンジョン内の
ラボで魔法の研究に入ってしまった。その間に…開発側はどうにかダンジョン内のガチャで使えるアルミ、真鍮貨幣を完成させ、ガチャを回してちゃんと物が出てくるのを確認した。
「よし!」
『これでようやくチャレンジ側にガチャが設置できるぞ。!」
高林兄弟のいるダンジョン側にガチャと、それに関するドロップが追加された。ただし通常ドロップに追加でコインが落ちる形だ。そして何より…
「いいのかこれ?」
「絵柄が無いと認証されなかったんだと。」
問題のコインの絵柄はガチャの機械と…牙の生えた人間の絵柄と…なぜか眼鏡をかけた男性の絵柄になった。意味が分からんが、これによりガチャ…をみんなが回してみた。回したガチャが凄いものだった。
ファミレス食品定番7種TIPS:某ファミレスの名物メニュー6+1種を再現した物。シークレットは”ドリンクバー”
ダンジョン銀貨(アルミ貨幣を今後ダンジョン銀貨と呼称する)を4枚入れて出てきたのがカプセルに入った、某ファミレスの定番メニューだった。パンは人気がなさそうという事でこれになったらしいが、三木原さんが目を丸くしていた。
「いや、ガチャポン開けたら、暖かい飯が出て、それがいつでも最高の状態だろ?レコ、食料改革起きるぞ?」
そう、ガチャポンの球で出てきた食事は開けるまでは分からないが…開けた時は暖かい状態とかの最適な状態で食べ物が出てくる。これはある意味軽いボールを持って行けば食料を大量に運ばなくていいというありがたい物だ。ただし…ダンジョンから…いや、出せた!?
『成功だな、私の方でオウルさんから話を聞いてガチャを改良したんだ。出して欲しくない物は消えるようにして、出してもいいものは高額だけど出せるようにしたぞ。・・・できれば今後も収益になる物をいただけると嬉しいが。』
エルマさんが自慢そうに胸を張っているが、これを社会に持ち出せば混乱必至である。そして、これがダンジョンに革命を与えてしまうとは…この時誰も思わなかった。




