29-124 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 ベラミー遺跡(6)
宝箱からはショボいものだが、研究者からすれば全ての物を研究して、地球との差を検証していました。そして、私と楢原もシルキーさんに憑依してもらい、魔法を使ってみた。うん、なんというか頭にうねうね何かが回ってそれが手から出て…クリーンとか火が出るとかできた。
「うっわ、キモい。」
「だろ?」
こう暇つぶししているが、敵がこれば…実は研究エリアとして…今回の仕様を聞いた私達は一応折り畳み防壁を…大沢さんが作った。ただし、ゴブリンとかの…手持ち武器や投石を防ぐレベル…専用だ。結構重いけど、これは盾を張って…両手を使えるという利点がある。…一応ゲームのロマン系とかも考えたらしいんだけど…ドローンシールドはドローンがかなり細かい重心制御をしている関係で重い盾を支える事が不可能でダメ。…ついでにその話を前にいたオウルさんしたら…魔王の片鱗を見せつけられた。オウルさんの影から木の巨大な壁が現れ。それを周囲の暗闇で支えて盾にしてしまった。どうもオウルさんは影の中に大量の物資を入れていて…この世界に来た時に失われたが…その多くを再制作した。その一つが”臨時防壁”と呼ばれるもので…木の板だ。これを数枚重ねて簡易的な家を作るとかそう言う目的だ。これにはエルマさんも驚いていた。だけどそんな技能は私達にはない。だからこそ…ほら、陸上競技のハードルみたいに簡易防壁を地面で設置してそこに荷物を置く。そうする事で簡易防壁とおもりが一緒になる。こうする事で…それでも比重がかなり軽いからゴブリンの投石を防ぐ程度で、魔法のストーンアローなどは防げない。ただし…硬さはある為に手で支えての盾と足で支えての防壁と、かなり使い勝手がいい。その間から顔を出してパチンコで攻撃である。ただこれも、実戦を伴ってみると分かるが…
「改良が必須ですな。」
「だな、これダメだわ。」
技術関係、いや生産系の二人からするとダメだった。まあ、最初の段階から”ダンジョン物の武器で一番簡単なのがスリングでこれがあればダンジョン楽っしょ”と買って来たものだ。ただし…その弾となる石がまずダンジョンに落ちていない。…エルマさんが言うには石なんて落としたら歩いてるスライムやウサギがけがを余計にする可能性があり、基本置かない。石を餌とするモンスターがいるなら別だがそうでないなら無い。ゴブリンのエリアにしても、投石させるための競合相手として…置く程度の物だ。その時には…逆に私達の方が投石される危険をはらむ。…だからスリングの玉になる物体が無いんよ。その辺を考えてか楢原の手品師ポケットの射撃は有能だ。勢いそのままで保存できるために一発に限りは強力な射撃を手からなら、効き手逆手関係なく撃てる。最悪武器を持ったまま撃てる。そしてそれ用の大物…確か今持っているのは鋼鉄の杭だ。釘より大きくかなり刺さるし…これを大沢さんに頼んでスリングで発射してもらいポケットに仕込むことで凶悪武器にしている、魔術師…地味に当たりかもしれん。が…楢原が言うには
「この職業はハズレだって。」
「なんで。」
「レベルアップ条件関連が厳しすぎる。」
魔術師LV4TIPS:魔術師は基本マジックを行い日銭を稼ぐ。一円も稼げないなら、プロを名乗るべからず。
という事になっている。これは今も検証を続けているが…いまだに満たせないらしい。金を貰うでも駄目。マジックを見せた後に金を貰うでも駄目。条件が不明過ぎてレベルアップを一切しないのだ。だからこそ…あのポケットが生命線でもある。で、そこで考えたのが魔法の経験が欲しいって事だが…楢原はシルキーさんに頼んで、…近江さんが休憩中に憑依してもらって魔法を使ってみた。感想は
「頭がうねうねしてキモい。それに考えられなくなる。これ、使ったら最後頭悪くなるわ。」
と、かなりの魔法否定派に代わった。どうも戦略とかを考えると整理するだけの頭脳の働きが欲しいが、魔法を唱えている間は、頭がハンマーで殴られたように…何も考えられなくなった。そしてそれは周囲の警戒という意味では致命傷になると…考えたらしい。私も魔法の頭に何かがうねる感覚はきっと相性悪いわ。うん。研究班の検証が終わり次第すぐに帰るようにしよう。




