29-115 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 ポッチ子ゴーレム
そして世の中は又もダンジョンフィーバーになる中問題は動画化公開された”謎”のダンジョンだ。なお別府のダンジョンモンスターはゴーレムダンジョンで…エルマさんが言うには全部同じ”ゴーレム”扱いで値段は格安ではない。という話を聞いてこちら、ダンジョン最奥のボスルームまで来た。いやあ、こっちが休みの間にギミックとして階段を封鎖するカギと鉄格子の組み合わせが完成し、階層間直通通路が完成しボス部屋はその奥となる。そこだけ天井を10mにしてあり、ダンジョンモンスターのテストを行うルームとなっている。そして何よりこの部屋…地味に裏口で階段から直通できて便利なんだ。で、そこに三木原さんとかの研究チームと大沢さん、リッキー、私達もいる。
『では説明する。付与魔法で作ったゴーレムは知能レベル1の言った事しかできない彫像だ。』
全員が頷くとダンジョンの表入り口からゴーレムが入ってくる。
『それが非常に頭が悪い。何せ言わないと回避はしないし、攻撃もしない。ダンジョンコアが張り付いて命令し続けてようやくものになるレベルだ。がダンジョンモンスターとしてのゴーレムは基本これではない。』
次に入ってくるゴーレムは動きが違う。
『命令は絶対順守だが、判断能力があり、ある程度なら命令順位に基づく自立行動も行う。で、別府温泉にいたのはこの…ゴーレムではない。』
そして入ってきた3体目のゴーレムは…なんというかデッサン人形が歩てきたみたいだ。しかも歩いていて音がカランコロン軽い。
『これは大手ダンジョンマスターの販売しているゴーレムで”中抜きウッドゴーレム”という。安価で戦いやすく、値段も安く補修材も簡単に手に入る廉価版だ。』
「力は強いのか?」
『ゴーレムは素体の重さと魔力の余剰分で腕力が設定されていて素体に掛けた価格が物を言う。但しゴーレムは命令が無いなら。身を守るさえはしないため、相手の命令を見切ることが戦闘の第一だ。』
「これは出さないのか?」
『ゴブリンよりは安くないが、命令文の記述で悩んでいる。細かくすればするだけ値段が上がるんだ。コストダウンとの兼ね合いでね。またゴーレムは魔力が回復しないし、回復魔法などの治療が基本無効で特定の高位魔法以外では修理もできない。』
「完全な使い捨てモンスター。」
でも三木原さん含め全員がゴーレムを見つめている。
「でもすげえな、動くのか。」
『一応、預かったこれもあるが、需要はあるのか?」
次に出てきたのは…は?
「おおー!」
『これはわがダンジョンの研究結果で生まれた”1/1ボッチ子ちゃん”フィギュアゴーレムだ。』
人型で偽装用だが歓声が上がるが訳が分からん。
「いやボッチ子ちゃんだろ?動いてるところ、強いて言うならそんなぴんしゃき動かねぇが、造形はかなりいい出来だな。」
リッキー君は原作を知っているようだ。私にはわからん。
「いや、硬い表情を抜けば…人型が歩くというのは面白いですな。」
確かにそうだが…でも面白いと言えば面白いか。
『これはすぐ消去予定だ。これを作るのに我が部屋の家具を全部消した。それ位費用が掛かるんだ。』
その言葉に会場が露骨に冷えた。
「いやあ、それはないでしょ。これだよ?」
『思ったより反応いいな。』
「美人フィギュアが歩くダンジョンって売れねえか?盛替え施策として面白そうだぞ。』
『別府ダンジョンとやらの映像はまだ来ていないが、速報でゴーレムが出たというからな。後、地方によってはゴーレム車が走るというんだ。それも購入してある、これは大半の大陸で使われている結構一般的な物だな。』
そして最後に出てきたのは、自動でゆっくりと走る…馬車だった。嫌そうとしか思えない、馬車の御者台には一本のレバーがあり。
『これも大手タンジョンマスターから出せるようにしてもらった。かなり特殊な技法だがゴーレムの一種らしい。ついでにそこの操縦かんを持っている人間の言う事を聞く…音声式だ。』
そして、私達も含めゆっくりながらもかなり走るゴーレム車の試乗会が始まった。どうもダンジョン文明はある意味かなり進んでいた。魔力式自動車があるのだ。ガチ驚いたわ。これは




