29-109 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 さらばマハラジャ
それから鍋が終わり最後にオウルさんが出ていき…今後の為に出入り口の形を変えるために鉄板ふたをした。今後は出入り口の位置も変更し建物の外…社宅のプレハブ小屋の1F側まで伸ばしてあるのでそこに
入り口を設置し直した。そう、もう、工場内に鉄板を張らなくていいのだ。
「でも寂しいねえ。」
私は事務室で、久々に…安いながらも酒を開けることになった。しばらくは床板外してフォークで荷物を送った後、こっちはもう普通の工場だ。これはオウルさんと時美さんの話し合いで決まったことで入り口を隠匿しやすいように
研究フロアは改造して…で2Fに穴をあける事でこっちは工場から雪落とし用の水の排水溝のふりをして村まで排水溝を伸ばす。…んでその脇にあとで買ってくる小さいパイプも置いておいてそこに近くに沸いているこっちでの
生活用…正確にはあの前社長用の水源である湧水をうち迄引くことに。そのついでにダンジョンがつながっていて…隣のの家の裏庭にダンジョンが出来ていても何の問題も無いと思う。
「でもダンジョンの売り上げを上げるにしても山奥は降り過ぎる、冬の間に改造しないと…大方…。」
「その辺は時美さんがやってくれるだろ。それにゴミ箱もこっそり作るんだろ?」
「そう聞いてる。ダンジョンギリギリの天井でも物が吸えるらしいからそれをこの辺に作るんだと。しかもかなりギリギリのところに。それでこっちも向こうもウィンウィンって事。そして私の家のダンジョンは対策用の資材がたまり次第
ダンジョン庁に報告して…公開させると。まあショボいものになるだろうけど、その辺は時美さんが考えているみたい。」
「それならいいが、まあ、なるようになれ。って事だ。まあこっちはダンジョンが出来ても向島みたいな盛況にはならないはずだからな。」
「山奥過ぎるし、この辺はあのおじいちゃんたちが土地を全部買っている私有地扱いだから。普段何も言わないけど、最悪の事は考えてあるみたい。」
「そうだといいが、ダンジョンの方は収れんになるのかな?後三木原さんたちはいなかったな。」
「ああ、後でダンマスさんに聞いた。ダンジョン内で魔石の研究だって。魔石の科学的調査とかダンジョンの壁とかの研究だって。その為に徹夜だと。」
「研究器具とかダンジョンに食われるだろ。それ。」
「そう思う。だけどそれより研究がいいんでしょ。まあ、レポートだとダンジョンは道具を食えても2個目を出すには相当ポイントがかかるらしくて、細かすぎる機器は食っても利益ないんだって。大ダンジョンマスターなら出来るかもしれないってさ、オウルさんみたいな。」
「あの人そうなのか?」
「鍋の時に話を聞いた感じ、ガチで払いが良かったらしいよ。正に金持ち‼大企業!って感じの。」
「大企業はみんな東京に行っちまうんだな。」
「いいと思うけどね。こんな冬の空、綺麗だよ。」
「だな。」
見上げた冬の空は澄んでいて…東京と違う気がするんだった。いや、明確な差は分からんよ。




