29-101 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 手慰みのコイン作成
その報告を受けたのは一週間後だった。余りにも無茶で報告を受けに来た時美さんでさえ、理解不能だった。向こうの回答はこうだ。
『そっちで待っていればいい。使者を送る。それに伴う上層部の件は全て会談で決着済み。』
である。あの状態から死者を送る?という事はあそこから移動する方法があるという事だ。しかも使者を送って連絡を取る方法もある?まあ、私達は不気味ながらここで開発などを送ることになった。
そして報告を受けたのは
『20ダンジョンに…連携の動きアリ。』
だ。初見殺しで抹殺されたダンマス側としては個別でいるうちは退治されるとみて、もはや手段を択ばない生存策に踏み切る覚悟となった。という話だ。とはいえどこにあるかは不明だ。そして私達にできるのは
レベリングとたダンジョン用武器防具の開発だ。そしてドロップ品の話の中で頼まれ、作成したのがこちら。
アルミのガチャコインTIPS:ガチャに規格を合わせて開発された大型のコイン。高度な貨幣を作る技術と緻密なデザインで作られた物ではある為、ガチャにおける銀貨と一緒の働きをする。ガチャ機能で100枚で上位貨幣一枚と交換可能。
真鍮のガチャコインTIPS:ガチャに規格を合わせ、開発された大型のコイン。高度な貨幣を作る技術で価値を引き上げた商品で金貨一枚に相当する。また、”交換宝箱”のカギとなりうる。
の二つと共に5Fになぜかガチャを設置した。どうもこれも彼女のダンジョンの特性でガチャの設置により、お宝をランダム化するという。ついでにガチャ自体は5F入口にアルミコインのガチャが置いてある。ついでに今後隠し部屋も作ってこの”ガチャ”の拡充を行う予定。しかも…ガチャには回数制限を設ける予定だ。で、そのアルミのコインは大沢さんが旋盤技術で彫り物をしたアルミ原盤からくりぬいたもので、真鍮も同じだ。ついでに何で真鍮かと言えば、金と同じ色で”偽金”と呼ばれたころもあるそうで、金貨っぽいって事で作った。なおこっちでは非常に安い。但しこれで大丈夫なのかと聞いたらダンジョン側で判別可能で同じものは作れないそうだ。
これをゴブリンのドロップに加えることになった。…いやエルマさんの実験で分かった事だが…本来のドロップであるはずの魔石を使った実験を行ったところ。何とダンジョンから出したら消滅したことが判明した。
「いや、これ不味いやん。」
と、全員でツッコミが入った。エルマさんもだ。というのも、向こうにおいてダンジョンの基本的高価なドロップの基本が魔石で、大きさや重さで価値が変わり、それが人間には非常に高価に取引されるらしい。だがそれを外に出したら消えるという事は、…どうも魔道具なる物もあるらしいのだがそれもダンジョンの外に出したら消滅する可能性があるらしい。今回渡されたこの箱は…何か色々エルマさんも知らない細工がなされていてそれを理解できないそうだ。なので、ダンジョンから出せるおたからにはかなり制限があるらしい。となると、ダンジョンの旨味なんてないわけでそれで商売なんてできないってなる。そこでエルマさんは上層部と相談したらそうだ。そして
「これ、試せ。」
と言って出されたのが、謎の言語で書かれた、まんまガチャだった。で絵を見ると、どうもパンが出るガチャという不思議な物で、マジックアイテムっぽい。そこで回すことになったのだが。うん、ここから問題が発生した。どうも…貨幣的に”500円硬貨”しか受け付けない。しかも一枚で向こうの100円だ。そうなると、ガチャを回すに1000円かかる。そして出てくる…どう見てもコンビニで売っている100円パン。自慢そうにエルマさんは見つめていたが、私達のテンションはダダ下がりした。これはない。ダンジョンの奥地で食べ物買える貴重さはあるが、ここまで来て観光地値段のジュースやパンを誰が買う?これを求めてダンジョン潜るなんて嘘だろ?…私達の盛り下がった顔にエルマさんは慌てて謝っていたが。これをダンジョンに設置して宝箱の代わりにしたいという話だった。そこで当然この件を伝え…しかたないから私が往復4時間かけてコンビニ行ってパンを買ってきて食わせると、目を白黒させていた。で、解決案を考えることになったのだが上層部にも伝えて、言われたのがこれ。ガチャ専用コインを作ろう。である。これをドロップにした上であるガチャを取り出した。それが
『鉱山夫ガチャ。これでリアル炭鉱夫6種』
だった。ついでにこれ、向こうの価値で金貨一枚。で、提言はこれとさっきのパンガチャにはまるコインを作れと言う内容だった。ついでにパンガチャはコイン二枚。で、こっちの炭鉱夫何とかはコイン一枚。これに合うコインを入れてこれをダンジョンで作ればよい。という話だ。
「確かに面白れぇな。というか、それがダンジョンに落ちるようになるのか。」
『そう言う事だ。それなら君たちも納得だろ?こっちもそれが安値で生産出来ればこっちにも利益になる。なお中身は私達が固定費を払って補充する。』
なんかガチャ商売が異世界まであるのはなんか不穏当だが、この開発に成功すれば私達のダンジョン生活も面白くなるだろう。




