1-27 僕が盗賊と戦い、誓った話
村に来てから実に一か月がたった。村に入り、いろいろ教わった。ついでにいろいろ教えた。この時に昔やってたことが生きたのだが、それは皮肉とさえ思った。愛想愛想。そして得られたのは
この辺の地理と、この村のこと、そして…”金がまだ普遍的でない事”だった。ついでにこの村で食える木の実の取り方。後は食える獣とかの事である。まだ文明レベル的に冒険者がいる世界ではなく、
あの城とかは大国というレベルだったらしい。よっぽど進んでたんだな…あそこ。で、この辺は田舎の開拓村であり、この辺の木を近くの大都市”エアヴァンギル”と言われる場所に売り、その対価に
いろんなものを買うという村だった。その木が、この家の使われた”オーツ”と呼ばれる木で主に建築材として人気らしい。後で回収しておこう。ついでに木の実、工具とかいろいろダンジョン領域
にこっそり持っていき回収していった。斧とか、後、包丁、薪、そろそろ寒くなる関係で、すごくうれしかった。村のほうもボロは出ず、それなりにまったりとした生活だった。自分がどうも男にし
ては線が細いらしく全く木も切れなければ木の実を取るくらいが限界だった。ついでに服も今は”毛皮の服”になっており、これもダンジョン及びエレノアに食べてもらい、今はエレノアを”着てる”
事になっている。ねっとりはしないぞ。ただ平和的で…これが魔王とか戦争とか起きるかもしれない最前線基地とは思いたくなかった。ついでに聞いた話だとあの山の北側にもう一個集落があり、そこも
木こりをしてるらしい…。この一か月、すごい…楽しかった。平和的って奴だろう…ちょっと癒された。
「ナオ、お帰り。」
「ただいま。」
僕はネルちゃんと一緒に暮らしている。どうも番にしたいらしい。ネルちゃん自身は、詳しく状況聞いても教えてもらえなかった。ついでに魔法とかも聞いてみたが、使ってる人を聞い
たことがあるが、遠い地域の巫女とか、後は王様クラスらしい…という事はあいつら、相当強い事になる。東雲姉ちゃん…何かされてなければいいが…ま、ま、まあいい。
「そういえば、帰ってきた。ミゲルが言った。この辺に盗賊が出てる。注意しろって。」
この村は実際防御はほぼないため、盗賊程度と言われても実際この村で戦えるのは2名、しかも対人経験はほぼない。後は木こりとか含めても人数次第では普通に負ける。
「どこで聞いたの?」
「ミゲルさんが言うには、エアヴァンゲルで聞いたって。」
ついでにダンジョン領域はこっそり、エアヴァンゲル及び、周辺の街中、街道以外全部囲むようにダンジョン領域にしてある。やろうと思えばモンスターも配備できるが、実はどこが盗賊の住処か
全然分からなかった。そんな話あるなら、細かく見ておけばよかった。警備か…土が足りないから、壁作れないんだよな…。木は実はそれなりに改修してある。硬い木ならいろんな子素材に加工でき
るって思ったからだ。今も、”オーツ”の木をスライムたちに命令させて外に放置して乾燥させてある。え?スライムに水分吸収させる?やってみました。ダメでした。木の皮を解体で剥いでみて
そこからエレノアに吸収させたが表面までしか吸収できず、結局普通に乾燥させるしかなかった。ので、魔王城の外は今乾燥木材と、後、塩を藁に含ませ、乾燥させている。できたら、塩を登録し
塩をダンジョンで作れるようにする。調味料作りの第一歩である。が、まだ日数が立たないためか、めどが立っていない。これができたら干物作るんだ。干物の作り方は、母さんが好きで買って
きた魚で作っていた。ので、覚えている。時々お得意様に送っていた。評判は知らない。が、まあ覚えておいてよかったと思った。数少ない母さんのいいところである。が、なんか騒がしい。
ここは村の外れなので、中心まで少し距離がある。が…悲鳴が聞こえる・・。
「お前ら静かにしろ!」
その声は聞いたことがない。急いで建物の陰に隠れる…後ろにはメルもいた。それはひどいものだった。逆らえば斧で頭を勝ち割られ…。3人の暴漢相手に何もできなかった。
「な…に…。」
メルの声も出ない。実際自分も怖い…あぁ…ミゲル…さんだ。あれはもう助からない…。これは建物の中からも聞こえる。どうも3人だけじゃないみたいだ。どうする?怖い…。が、死ぬ…この
ままだと、もう、いやだった。
「エレノア…僕が一撃入れる、あとは頼めるかい?」
「プニィ。」
「ん?なに?この声?」
エレノアは服に変化してもらっているが、実際に見せたことはないので、今まで隠してはいた。そして…。こっそりDPで鉄の槍を召喚久々にやり投げ器をつける。
「投げたら行って。頼んだよ、エレノア。」
「プニ、プニィ。」
そう言うとエレノアは元の状態に戻り、僕は全力でやり投げをした。練習してるわけでもないが…勢いの付いた槍はそのまま不意打ちとなり男の心臓にぶち当たった。槍は重い、しかも返しが付いている。
刺されば…なかなか取れないのだ。
「貴様ぁ!」
隣の男の怒号が響く。そしてそのままエレノアは地を這うようにダッシュし、隣の人間に絡みつく、そしてそのまま地面に引きずり倒す。そして、僕はすぐに建物に隠れると、魔王城にいたスライム3体を
手元に引き寄せる。
「お前たち、あのエレノアと僕を狙う奴を攻撃して。」
「プニィ!」
一体が声を上げると、最後の一人に飛び掛かっていった。ア、うまく…
「きゃ。」
声のした方を見つめるとすぐそばに盗賊がいた。…ネルを抱え、口が押えられている。そして、片手には…鉈が握られている。
「お前、よく分からないがやってくれたようだな…。」
このままだとネルが死んじゃう。
「大人しくしてもらおうか・・・。」
その瞬間、盗賊の足にスライムが飛び掛かる…あ!
「何だ!この野郎!」
そう言って鉈で薙ぎ払おうとした瞬間…ネルの頭に鉈の柄がぶち当たった…。
「え?」
だらッと力なく垂れさがるネルの頭…。
「ネルゥゥゥゥゥゥ!」
その声に反応してエレノアが…槍に変形して…盗賊の頭に刺さった。そしてそのまま、盗賊は…死んだ。
「大丈夫?ネル?」
無理やり揺すると、少しだけ目を開いた。
「大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ、よかった。」
ネルの頭は見てわかるぐらい陥没していた。
「コア。ネルを直す方法はある?」
【ダンジョン領域から確認します。現在の文明レベルでは治す手段はありません】
「何とかならないのかよ!」
「ナオ…。もういい…疲れたよ…ありがとうね…。」
彼女の目が閉じる…体が不自然なほど冷たくなっていく…死ぬ…。
「何とかしろよぉ!」
【当該者の死亡を…メールを受信いたしました。】
俺はその画面を見つめる。
【一度しか言わないわよ。ソウルレベルの発生プロセスはソウルレベルに合わせた、一番近い魂を使う。そして、モンスターシステムは人間そのものを作ることができない。】
はじけるようにタブレットを開きまずはここに…ダンジョン領域を設置できる。ダンジョン領域設置。そして、ネルの体を吸収・・・できた。そしてをのままユニークモンスター生成
人間と全く同じではいけないので、耳だけでいいや、耳を少しの延ばす。で…スキルとして回復魔法を入れて…後は追々足せばいい。これで…生成!身長とかは適当に生体特徴もほぼ人間
…後はソウルれレベル3でOK…生成終了。そこにはエルフと言っていいであろう少女が一人寝ていた。
「ネル…。」
「…おはよう…。疲れが………なんか変。ナオ、どうしたの?」
「よかった…よかった…。」
僕はネルに感極まって抱き着いた。
それから村の中を見渡すと、盗賊が二人いただけで村は全滅していた。その盗賊はエレノアたちで殺した。優しくしてくれた。みんなを思い出すとつらいのだ。みんなをユニークモンスター化して
復活させるとも考えたが、それはネルに止められた。
「人が死ぬのは必然。父さんも。母さんも死んだ。だけど後悔してない。人は生き物を殺してる、殺されるのも普通。」
その言葉で僕は思いとどまり、そして、その日にはこの村すべてがダンジョン領域に沈んでいった。内情報が欲しい盗賊と、男女一名ずつをエレノアが吸収。後はダンジョンの素材となった。
家ごと。
【人間型モンスターの素材として人間の死体が大量に欲しい場合があります。】
確かに人間型を作るには、大量の人間素材が欲しいが、死体を…。
「後に生かされるなら、その人も本望。生かされもしない野ざらしのほうが私は嫌。」
僕は覚悟を決めた。もうこんなことをさせないために勇者システムの一部を容認した、こんな悲劇を生まないために。これが後で更なる悲劇を生むと知らずに。
人間側文明レベル 2(村落及び小型都市国家成立)から3(大帝国発生)
住人取得スキル数 1から2
現在の一日の収益
1F収益 領域510k㎡=5100DP
B1F収益 ジオフロント:海LV4(16K㎡) 3200DP 宝箱4個 現在(ランダム75000、出現確率+50%補充一日10回)=53000DP
B2F収益 フロア型:(ランダム15万、補充一日10回)宝箱×3=27000DP
訪問者:0 計 0DP
計 8。5万DP
現在の一日の消費
ダンジョン領域購入(30k㎡)=30000DP×7
計 3万DP(諸々維持費抜き)
一日の収支合計=5.1万DP
現DP=470万DP




