29-90 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 初期交渉
そこで待機する事4時間。メイドさんが手紙を携え戻ってきた。手紙はお盆の上だ。それを受け取ると、全員がそれを見た
『講和の意思は受け取った。そして上層部に連絡して君たちを歓待する。君たちが言う”兵士”は現在もギリギリの食糧で生かしていて、交渉を持ちかけるつもりだ。がそれが不可能な可能性が高いのもわかった。
君たちを窓口に商売として。彼らを返却しよう。そこのスーツの女2名はメイドについて来てくれ。交渉を行う。それ以外はそこにいてくれ。なお、食料は交渉終了後に渡し、身柄は交渉で決定する。」
「日本語!?」
全員が驚いたのがそこだった。
「なんで、日本語があるんだ?」
「いや、大阪や福岡ダンジョンで学んだんだろう、きっと。そしてその言語が伝わったんだ。きっと!」
特にダンジョン学の教授たちの興奮はすさまじいが。
「じゃあ、行ってくる。箱を持ってないと交渉にならないから。そこで待っていてほしい。先方を怒らせたくない。」
「分かった。」
全員が頷くと、私と時美さんは一歩前に出るとメイドさんと通路を歩きしばらくくねくねした道を進んだ後…通路の一番奥に…黒髪の少女がいた。そこにスマホの翻訳アプリを起動させる。
「よく来た。****の者よ。協力者よ。これの存在を上が知ればきっと様々な仕事がはかどるだろうに。』
どちらかというとエルマさんよりはゆっくりした話し方だが。その翻訳ソフトの発音を聞いて…感心しているようだった。
『まず、あなた方の現状は伝えました。そして謝罪します。』
まず時美さんは謝ることにした。
『いや、あれらは同郷だけど同朋ではない。だから彼らに思うところもない。但し現ジョンダンジョンは困窮しているのは事実だ。そこに協力してもらえるなら。』
『対価は用意してあります。こちらです。』
時美さんは…え?腕に付けた時計を外すと、ダンジョンの床に置いた。
『これをダンジョンが食えば当面は栄養が足りるはずです。』
確かに結構高そうだけどさ。
『分かった私が受け取ろう。がルール上細工はさせてもらう。』
少女が手をかざすと手から黒い塊が飛んできて時計は黒い塊に吸われていった。
『望みはあるか?手紙から見た現状は最悪に近いのが分かった。打開策は考えるが、私達は不義理な真似はしない。だからこそ、値段分の働きはする。**だからな。』
なんか
『まずは自衛隊員に合わせて欲しい。彼らの状態を確認して次の手を打ちたい。そして、連れを休憩させてほしい。』
『分かった。少し待て。』
そう言うと、ダンマスは
『後その、言葉が通じる板。それをいただけないか、話すに億劫だ。』
『これはこちらの最新技術で出来たもので、貴重品である。だから出すわけにいかない。』
しばらく目を細めて少女はこっちを見る。エルマさんの時よりずっと恐怖が伝わる。
『ここで殺されて奪われると考えなかったのか?』
『ここで私を殺して箱が帰らねば災いが起こるのだろう?怖くないのか?』
なんかバチバチしてる!
『そうだな。その箱の宣言をしたのが我が上司だ。名を汚すのは愚か者がすることだ。そうなると二人のうちの一人はこっちに残り、もう一人は****について翻訳を頼む。』
ギリギリ助かったがここから先はどうなるんだろうか。




