29-84 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 それは転換点かな
エルマさん側も実は一か月の間に異変はあった。というのも、余りに日本を狙ったダンジョン開設時にダンマスの指示を全部一回忘れる機構があった疑惑がSNSで発生。その為生き残ったダンマスは約20名となった。いやおかしいでしょと思われるかもしれないが。実際ダンジョン側も何も考えてないわけではない。が。200回挑んで残ったのが20という意味らしい。…結構死んでる。そしてダンマス側もこっちに人を送り込むのにかなりの制限があるらしく、この言い方はおかしいがこっちの大魔王はそこまで考えて指示書をダンジョンに入れておいたらしい。それが功を奏した形だ。がその20のダンジョンはどうなったのか。最後の18のダンジョンはこっちの大魔王の意見をSNSに公開して指示書をダンマスに送付して入り口を偽装した。入れないようにだ。その頃に開発された”格子状出入り口”によりエネルギーを大気から取り入れつつ最低燃費でエネルギーを稼ぎ、その間に資金を大魔王が送金しエネルギーを蓄えたうえで対策させてダンジョンを”一般人少数”に公開する事で少しの小銭を稼ぐ方向に切り替えたのだ。最悪ダンジョンからモンスターを出して”動物の生体エネルギー”でもぎりぎり生きて行けるとなったらしく、…細々とした生活になる見込みだという。お互い、破滅に近い事になったのだから恐ろしい。
そんな中、時美さんがダンジョンにやってくることになった。というのも…
「箱を借りに来た。」
どういう事?
「向島ダンジョンに学者や調査会社を連れて調査する事になった。今後調査は警備会社を”文部科学省”が雇った上で文部科学省が中心にすることになったの。そこで私の子飼いの”相場ケミカル”から3人の調査員
として化学サンブルを回収するの。まあ、そこで箱を使って連絡をするつもり。」
エルマさんもうれしそうだが…。
『なんか蛮族みたいな連中が上と聞いた。大丈夫か?』
「返す言葉もない。」
『あと、これを持って行ってくれ。もしダンマスが現れたらこれを渡せば反応してくれるはずだ。大魔王様に連絡が行くはずだ。』
なんかこう平和的だと、あの自衛隊があんな馬鹿したおかげで言い返せない。
『だから破壊された場合はすまないが諦めて欲しい。これを取り寄せるために部屋の物や、君たちから貰ったものはほとんど使いきった。』
「そして、西川君も来てくれないか。念の為の護衛だ。…私の職業が不安でダンジョンで戦えるか不明なんだ。」
時美さんに職業を聞いてみると
バトルバレーボーラーLV1TIPS:(0%)”戦闘球”を使った格闘技でドッジボールとバレーボールとパルクールを合わせた新時代格闘技。2043年に正式競技化したけど過激でアンダーグラウンドな人気にとどまった。
「流石にこれに対する知識が無くて、レベリングが難しいんだ。」
「それは思った。というよりこの年表、未来ですよね。」
「だよな。だから想像もつかなかった。だから思いつかなくてね。だからレベリングはあきらめた。他よりは君しかいない。」
そしてエルマさんに説明するがエルマさんも…文字さえ読めない職業らしい。
『君たちにはかわいそうだが、私には指導の仕様もない。そのドッジ?とか、球とかパル何とかとかその辺から意味が分からん。すまない。』
なんか頼りにはならないが、誠実なのが分かるけど…。




