29-82 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 新川時美2
ダンジョン庁に帰って来ると嘱託職員さんたちが書類整理とかを行ってくれる。まあ営業は部下がいても大切な場所は自分でやらないと、責任がおかしくなる。帰って来た私に事情を聴く。
「営業・・・する必要性あります?」
「…本来は私が交渉するんだけど、部長たちが走っていったからね。
食卓の職員にさえ今の部長たちはおかしく見えるらしい。ここで頑張れば、高給の警備会社の執行役員の椅子が待っていると思えば彼らが独断するのもわかる。
「…というより、ダンジョン…崩壊しやすいですね。こちらを。」
「新しいダンジョンと…崩壊したダンジョンね。」
そう、この辺にもダンジョンは現れては調査しに行った自衛隊にダンマスが何も言う前に射殺され、友好を求めているかもしれない彼らは…死んでいった。そして
「どうしようもないわ。」
なんといってもいくらHPの報告が正しかろうが、10人ぐらいの2段隊列の一斉掃射に耐えれるわけがない。ただし…レベルも上がらない。銃の暴力具合が分かる。これにあらがったのはまず生物がいないという向島ダンジョンと、弟の山奥ダンジョンだけだ。そして今度は見つかっていないダンジョンが、運が良ければ生きているだけ。調査の名目のはずなんだけど、実際自衛隊に聞いた時にダンジョンに益なしだから破壊できるならスタンピード対策として破壊すべし。という事が徹底されていた。ドロップもあるとか、関係ないのだろう。どっちが悪だかわからない。ただ、ダンジョン庁は大阪ダンジョンみたいな開放と利権を防衛省に求めているが、向こうは、国民の安全のためにダンジョンは破壊できるなら破壊すべきという意見が変わらない。見た生物は、日本語が話せないなら全部射殺だ。大方福岡も大阪も連中が壊したのだろう。そして利権に走るダンジョン庁職員たち。ただ、モンスターのない建物だけで行方不明となったダンジョンは意味も無ければ観光資源としても訳が分からないとなる。が本当に、連中には自衛隊対策をしてほしい。それとも何か向こうが隠していることがあるのだろうか。




