29-81 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 新川時美1
新川時美はダンジョン庁地方局営業課長である。但し地位的には地方に派遣された官僚で、一番の下っ端である。ただ現在は各地に発見されたダンジョンがあり彼女のいる地域でも4のダンジョンが出来て
その多くには部長含め他の地方組が向かっていた。彼女が無視されているのは時美がダンジョン庁生え抜きで他の地方局職員は防衛省や警察庁からの出向組でそしてダンジョンはそれらの傘下の”警備会社”
がその利権を独占していた。その為にその情報を生え抜きの下っ端には渡さず防衛省や警察庁で固めることにより、何処の警備会社がダンジョンを独占するか…という事になっていた。平和なダンジョンなら箱(施設)を作って自分たちが警備しつつ観光収益を、又は経産省傘下の”旅行会社”と折半にして美味しい利益を得てもいい。又厳しいダンジョンならケイ議に徹して、内部で”銃打ち放題を楽しみ”筒、そっち方面に売ればいい。そうダンジョン自体が利権なのだ。その中においてなん井戸の査定は順調だが、その過程においていくつものダンジョンが消滅してしまっていた。
『大方ダンマスが慌てて出てきてそのまま射殺された事態がある。』
実家の弟から貰った書類をあるアパートで読みながら考えていた。この書類を盗聴があるかもしれない本庁で読むわけにいかない。家も…最悪探られているかの精がある。そこで楢原とか言う男に頼んだ部屋で読んでいた。
『ダンマスは一定額の資金を与えられ派遣された節がある。そして目的は”ダンジョンの解明”である。どうも彼らからすると、置いてあった遺跡を起動させてこっちに来た感じがする話だった。そしてその機能のテストを行っている。又何らかで彼らは情報を交換できる。そして公開されていないが諸外国でもダンジョンはできていて、その多くは破壊された。大方あったとしても山奥の目立たない場所とかだろう。そして今度はそれを理解したうえでこっちに来ると言っていた。』
彼らダンマスが知らなかったのは彼らはダンジョンを敵対視している…のではなく、舐め腐って餌としか考えていないって事だ。最低でも日本では。19ある初期ダンジョンは12が潰され、この地方のダンジョンも2個は潰された。そして、今でもダンジョン発見を隠しているが時々報道されている。そしてこれらはまだ公開されていない。そして今後も増えるだろう。その為法整備が遅れていて今後も増えるとして公開”通報制度”と報奨金の設定を行う予定らしい。ただし、行方不明者が出たダンジョンの向島ダンジョンは現在警戒も高い。その為ここは残るだろうが…他は分からない、そして分かってきた”ダンジョン永続否定説”である。ダンマスらしき存在は言葉が通じず、又その言語を覚えることができないらしい。学ぼうとしても頭が拒否するそうで、事実上無理だそうだ。そうなると、言語は通じないまま射殺命令が出たのだろう、彼らの多くは魔法が使えるとも書いてある。そしてこれをシュレッダーに通す。この書類は危ない。さらに厳重に2回かけたうえで、コンビニ袋に入れて処分する。




