29-79 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 聞き取り
帰って来た私達はお通夜のような落胆だった。
「全然威力足りん。普通のスリングじゃダメだな。」
「例の奴は作れますがこれは検討が必要なようです。」
私一人なら何んとなかる。だけど庇いながらだと無理だ。それに防具もある。色々考えないといけない。
「改良は任せるけど、これ自衛隊相当苦労してるね。」
「向こうはもっと殺傷力の高い武器ですし、一斉射撃で倒しているでしょう。問題は防御力とか、そう言う概念がHPに適応されている可能性が高く…あれに耐えれたり、弾かれ始めると、とたんに弱くなります。一応もっといい武器もありますが…必要な場所や重さが指数関数的に上がるんです。それが、武器の作成を悩ませるんです。」
なんか銃とか玉も問題が多すぎてダンジョンで使うには…現在はロマン武器だって事だ。これはこれで悩ましい。
「何かいろいろ難しい。」
「まあね。こっちが戦える武器とか作る為にも…遠距離支援火器とか作りたい。けど値段とか考えないと、倒しても復活すると考えると、大方既存の弾だとダメだ。」
「いろいろ限界がありますね。楢原さんも相当忙しいみたいですしね。」
なんか色々行き詰ってきたぞ。どうする?
楢原はいまだに相場ケミカルの社員である。そして営業でもある、当然顧客がいて、呼び出しもされるわけでその為にお仕事は忙しい。こっちばかりに構っていられないので、土日はこっちにいられるという感じだ。出向させられてこっちに来ているはずだが、そんなものは顧客には関係ない。まあ時美さんにも、社長にもある程度私の敷地内なら資金の限り何やってもいいとは言われている。その中で直属の部下は大沢さんとトッシー君だけだが…
「遊びに来たよ。」
「今日は簡単な物を作ってきましたからね。」
ご老人一行が来て、毎日レベリングする事になった。暇というのもあるが、特に高林兄には逆らえない。だって、私の土地の範囲はこの山一つ分だが。その周囲の山と農村の廃屋部9棟分の土地は高林兄が持っている。ここは限界集落を越えた超限界集落だがせっかくなので改めて村の状況を聞いてみた。その間に大沢さんが奥さんたちに防具のレクを行っている、




