29-78 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 聞き取り
帰り道、隠し部屋付近というか出入り口にはエルマさんが待っていた。リッキーが慌ててスマホを取り出すと、翻訳を開始した。
『ウサギがきつかったようだな。他の者に帰るか?ウサギよりはきつくなるが…。』
こっちの様子を確認してきたらしい。向こうが見ているのは本当かもしれない。
『きつくなるのか。やめておく、私達は生き物を殺し慣れていない。だから。』
『ゴーレムとかの方がいいのか?』
エルマさんが動作で答えてくっる。”ゴーレム”は後で分かった。が、エルマさんのリアクション上手いな。隣で大沢さんがメモ撮っていく。
『そっちの方がきついのでは?』
『狩りが多い私達では理解できないが、そういいって止める女も多い。だからな。ただ、君たちの職業は珍しく、できればその成長を見たい。』
『できれば長期レベルアップへのバックアップがあれば 出来ると思う。』
『それに関してはいろいろ検討中だ。それに…他のダンジョンの様子を聞くと致命傷になりかねない。だからこそ慎重にいかせてほしい。』
『後、そちらからの要望はありますか?』
エルマさんもしばらく考えていた。
『…感謝する。そうだな、いくつかドロップの変更したほうがいいのか?』
『何ですか?』
『スライムのドロップを一切拾った事が無いからな。が、どうだ?』
というかびっくりした、スライムにドロップがあった?
『何があったんですか?』
『魔石だ。ただ、大きさ的に0.5gだな。』
そう言えば単位も謎があるんだよね。グラムとかそう言うのはこっちと一緒なんだよね。どうも向こうは勇者が単位を統一したって聞いた。そして出来たのが全国共通単位らしい。
『私達も気が付いていないと思う。』
『そうか。なら考えておこう。目立つ物だな。いくつか改装しておく。後、君たちが出て言った後、通路はいつものにしておくからな。』
そう言うと、エルマさんは隠し部屋の奥に帰って行ってしまった。




