29-76 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 明るい強さ
そう言って私達が隠し部屋を出ると、…ものすごい明るくなっていた。昼と変わらないくらいだ。
「なんかすごい明るいですけど、壁ってこんなになってた。」
「うん。ガチそう思った。というか、明るい。ちょっと着替えて来るわ。リッキー君も準備して。』
「試作2号用意してくる。」
というかダンマスってここまでできるんだ。というか、茶色の壁、急ぐか。
結局大沢さん含め3人パーティで潜ることになった。私はいつもの衣装。そして大沢さんは鉄パイプではなく、工事用スコップ。どうもリッキー君が言うには近接最強は”軍用スコップ”らしいが全然その辺分からん。がスコップはそれでも強い凶器らしい。そして手製の防具。これ買うと足が付く恐れがあるから作ったんだよね。で、リッキー君が、楢原さんが買って来た。パチンコボウガン。ちょっと特殊な物で、球を入れて業務用硬化ゴムで作った特殊なボウガン。ただし弾は今のところ試作弾丸である木製の針。作ったのは10発しかない。後はゴルフボールらしいけどね。一応飛ばせる。但し巻き上げが遅くて、これは試作2号となった。一号は飛ばなかったからね。
「でも本当に明るいな。
「そう言えば楢原は??」
「仕入れ、試作4号用の奴。」
どうも社長と一緒に仕入れに向かったらしい。今回の件で武器の開発を狙っているらしい。…最悪武力もありうると、しかも海外からもだ。そうなると公害のこんなド田舎は当然無茶苦茶危ない。見つかれば危ない。匂わせでも危ない。だから自衛をする可能性を考えないといけない。だからこその武器だと社長は考えたようだ。但し会社から持ち出せる金額にも限界がある。だからこそ…。
「なんかスライム早くないですか?」
スライムが通路を歩く音が聞こえるが、ん?
「様子おかしい、構えて。」
「どう!え?」
いつもより早い以上に、通路にいるこっちに気が付いて少し角度が違うんだ。そして、こっちに来る直前に止まった。止まったのだ。今まで止まったことはない。
「なに?」
そしてしばらくの静寂の後、スライムは勢いをつけて一気にとびかかった。いつもより高い弾道。それはみぞおちを狙う一撃だった。が、私はそこに張り手をかまして押しのけスライムは壁面に当たった。が、いつもより重い!
「え?」
確かに全然違う。素早いだけだと思ったけど違う。そう、重い、硬い、頭が良くなった。全然違うモーション。そして重さ。そして私は走って、スライムを蹴った。消えてない!
「あ!」
そう、慣れ過ぎてい気が付かなかった。飛んだだけで死んでない。硬さも、HPも2倍。厄介過ぎる。下駄で思いっきり蹴り飛ばすと、そのまま弾かれ、そして、スライムは消滅した。
「大丈夫か?」
「ガチ怖いわ。いや、油断してた。これ、全然違う。」
「え?マジ?」
「敵見たら討つぐらいじゃないと射撃間に合わん。死ぬかもわからん。最低でもゴブリン一撃で死なせた張り手で相手死んでない。」
その言葉に全員の顔が引き締まる。
「ちょっと辛いかもしれん。」
確かにこれは陽のダンジョンマスターだわ。明るいと敵が強いダンジョンマスター。
「これ、フォーメーションミスった?」
「リッキーが前に出て射撃。んでそのあと私が行くわ。大沢さんは後ろお願いしていい?」
「分かった。」
一気に緊張度合いが上がった。まだ私の記憶が正しいなら。10体以上のスライムが徘徊してるんだ。こんなに強いなら考えないといけない。




