29-70 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 弾丸とモンスターの値段
「おかん。なんであんなことを?」
ダンマスがいなくなり。私の家でトッシーと楢原が編集作業をしながら時美さんに聞いていた。
「いや、ジュースで高いんだろ?弾丸の値段いくらだと思ってるんだ?」
「いや?」
そう言えば弾丸の値段とか知らない。ダンジョン用の弾の作成とかしてるのに。
「一発7円から、57円。だが、問題はあの飲み物でさえ高いと言ってのけた事だ。大方今までの感じからして…情報によると中世ヨーロッパ程度の武装が多く、技術レベルでは圧倒できると、話があった。がその分例えば薬きょうや敵を貫通した弾丸が倒した敵より価値が高いなら?ダンジョンはやろうと思えばいくらでもモンスターが作れて落ちた玉さえ確保できれば弾丸はいつでも、最悪被害者一名で完全な形さえわかれば…弾丸と銃は量産し放題だ。弾を使えば使うだけダンジョンが潤い、一人でも罠にかかれば向こうがいくら全滅してもおつりが来るなら?私達は一回で滅ぼさない限り、いや向こうが言うにダンジョンの質次第では攻略途中に弾丸が効かない敵が来て詰むわけだ。」
「あ…。」
あのスライムやウサギ相手に銃を使っていればダンジョンマむしろ肥える。って事になる。
「そして彼女は魔法の使い手でもある。私達の知らない力のね。本気を出せば勝てないだろう。」
時美さんの顔は渋い。日本国の敗北を理解できた瞬間だった。
「その為にはダンジョンを理解しないといけない。友好なダンジョンを保護しつつ敵対的ダンジョンを殺す方法を見つけないといけない。」
「…そこまでですか?」
「格好でダンジョンを潰す際に銃による一斉射撃を使ってる。その弾丸数次第ではダンジョンを再建できるだけの資金とか言う物を与えて。」
「…これ参考になるかな?ほら、異世界物でダンジョンマスター物って多いからさ、役に立つかもしれんぞ、おかん。」
トッシーが見せたのは異世界転生物小節で有名なラノベサイトだ。
「…役に立つと思う?」
「俺は…煮てると思った。その理にかなった動きをあいつはしていた。特にあの美人エルフは写真公開できるならしたい。だけど…。」
「死にたくないなら、止めなさい。後…有給取ってきたから、ここでやること一斉にやるから。」
エルマからのレポートを呼んだ遥とエミルは、当然エルマの辞書作成の編集画面を見て、書面も確認していた。エルマに出す指令を決めるためだ。そして、時美の発言の
『やべぇ、自衛隊に負けしか見えねぇ。』
という言葉も載せていた。
「いや、なんかヤンキーっぽいな。」
「…大方、この人ダンジョン差益に気が付いたんだ。」
「どういう事?」
「前のダンマスバトルでも言われてたじゃないか?集団攻撃魔法を使わせるために安くてそこそこ働く雑魚で囲んでオーバーダメージで稼ぐって奴。SNSで行ってた奴。」
「あ、あれ?でも。」
画像を見ているエミルの顔は暗い。
「あれがあるから、収支がある程度プラスなら戦力になる切り札モンスター作りたいんだけどね。各組織でも理解できないほど強いモンスター抱えてるし、エンプレスとかスキュラとか。」
「いや、それでもハーピーしか出せない千鳥万花は弱いじゃんか、あの箱作ってもらったけど。」
「なんかね、あの鳥海とかあの辺が下手に自分の武器見せる?むしろ隠すよ、最下位とか言わないまでも、ぎりぎりまで隠すよ。むしろダンジョンだけで勇者をほんろうできるだけの腕があるんだよ。モンスターも基礎だけで。」
「あ…。」
「それに前の質問状に書かれた自衛隊を行方不明にさせたダンジョンって大方…。千鳥万花だと思う。銃に勝つためにダンジョン障壁を最大迄生かしたと思う。」
「…あの、ドランが攻略不能と言ったダンジョンの事か?」
「ダンマスのだれも解けないというラビリンスを持ってる。あれでダンマスが挑むというのをやめたと聞いてる。あれだと思う。」
昔ドランが千鳥万花に挑んだ時の三つのダンジョン…そのうちの一つだけを公開録画させた映像がある。それは余りに理解不能でどうやってドランが帰ったかも、すべて不明というダンジョンだ。何せいつの間にか帰れなく
なり、最悪いくらでも迷うという。ドランだから止まるという選択肢ができたが、今でも謎の多い動画でホラーダンジョンという異名がある。
「自衛隊って怖いのか?そんなに?」
遥かの質問にちょっと、エミルも思い出をあさってみる。
「うーん。普通にやり合うには戦争に出てる普通兵士を鼻で笑う程度には強いのが自衛隊の元隊員よ。ついでに、3年ほどの研修ね。それでやめれて特典もらえるから。普通はそこでやめて就職の箔にする。」
「え?」
「そこを越えて訓練した連中はピンキリで最低でも20km行軍ぐらいはできる化け物よ。体力お化けね。どうも職業はデータを貰った限りダンジョンでモンスターを倒せば”付与”されて10レベルごとに転職システムがあって
鑑定時には初期職業と中位職が混ざるみたい。しばらくは安い厚い木の盾と棍棒で装備したゴブリンを使ったゴブリンの戦士を火葬に配備させるつもりでスポナー作っておいたから。」
「職業の差で何とかなるんじゃ?」
「暗殺できる腕とか、合気道とか極めた奴相手だと腕力が上がるだけのステータスだと何ともならないし、腕とか抑えられたままだと、HPで耐えても結局負けよ。腕間接極めてHP削って…そのまま間接砕いてナイフで急所で
終わり。ステータス無くても向こうは勝てると思っていい。」
「こわ。」
「が、エルマのいる場所はそれがいないだけ幸運だったって事。レベルが一だと舐めプした連中は大抵痛い目見る。勇者よか怖いわよ、あの連中は。」
「エルマは大丈夫か?」
流石に第一の僕なので、遥も心配だった。
「最悪蘇生費用払えば蘇生できるシステムらしいから。まあ、SNSは大荒れだったけどね、今も。」
現在ダンマスを送り込んだその多くは初日又は一週間以内に破壊されダンマスに対して私達は東京スタンピードの話を拡散させた。その世界ではダンジョンにスタンピードされた記録があり、ダンジョン=的であるという概念がある事である。但しその後にできた”福岡””大阪”型ダンジョンの話はしなかった。どうも向こうは最初から向こうでいうメイズ付きダンジョンである”福岡型”を見た瞬間から徐々に攻略する事に切り替え、セーフエリアの申請をしてきた。おかげさまで中古ながら昭和家具が入ってきて、これが売り上げがいい。そしてそれでダンジョンの多くが破壊された頃。運営からテコ入れ策として、再購入と複数購入の権利を販売し始めた。前回の利益分+200万DPを払えば再挑戦できる権利だ。また、稼げるように一部ダンジョンルールを改変するというおまけ付きだ。がこれは…私たち日本融和派にとって不味い物だった。そしてその話が知られるときに黒川から情報提供と
一時協力協定の締結の話が来た。どうも相手が日本と分かって穏便に道具を手にする方向の交渉をしたいとの事だった。そして黒川の情報だと…どうも草原はギルド及び4大ダンジョン組織に対して反感があり、戦争を仕掛ける資金集めをしているという話だった。
そして今回のイベントに出資したほとんどのダンマスが草原側だったという。そして、今度の支援策に対して千鳥万花に資金融資の依頼をしてきたらしい。ギルドは扱いにくいがダンマス全体を支援してきた生産系に金を貸せ
という物だ。そこで千鳥万花の情報を買う代わりに今までの交渉での書類データを千鳥万花に売り、打開策を求めた。そして…これにより思ったより事態は悪化していると判明。どうも、日本以外に世界全土がマップである
こと、緯度経度の指定なんて、大抵の日本人が言う事が出来ず…運よくできたとして、ランダムがあるなら…結託は無理に近い。只公開されていないデータも多いだろう。向こうが送ったダンマスも全部計画を練り直したそうだ。黒川たちもだ。




