29-67 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 一筆入魂の質問
「…じゃ、これで手紙お願いね。字体はそっちに任せた。後その名刺持ってくれば私に会えるから。絶対に報告書持ってくること。」
そう言って嵐のような時美さんと社長は帰っていった。え?店?時美さんに言われた小物とかをトラック一台分買って、もって来たよ。今から下ろして、で、トラックを戻しに楢原は帰るんだけど、あたしには考えないといけない事がある。それが、二軒の民家の説得だ、私達の今後も、今まではリサイクル商売でごまかせるかもしれないが、不安に思った近隣が通報してくる可能性がある。それに”年齢”などでダンジョンの職業に影響があるのか。という課題の中で2件の民家は当然…こっちを怪しんで”通報”される。それだけは阻止しないといけない。その前にこっちが彼らを雇用して”情報封鎖”する。…そして、
「これが問題って事か。」
そう、ダンジョンに入る人間と職業を増やすには”人数”が欲しい。職業は資料だとかなりの分岐数を持つ。現在の職業に関する事、今までの延長線上、そしてあだ名などのトリッキーだ。これが”市民”の転職の
3種だ。それ以外は現在”拡張”だという。で、これらはどうも自衛隊でも起きていた。がほぼ全員市民と書かれて、そのままダンジョンに入ることができないそうだ。というのも市民と書かれた人間のレベルアップは不可能それが自衛隊の判断だった。がこの記録によると”市民風の衣装。市民風の武器”があればレベルアップする。市民は市民でないといけない。ということを暗に示していて、あと1割はランダム職業らしくそこからさらに”戦闘職”を引いた”ダンジョン特戦隊”がダンジョンの攻略をしているが、それでもレベルアップはほぼしないそうだ。…ステータスの平均も40が限界だったらしい。但し職業によりステータス査定の話も知らなくてこっちの情報はかなり…自衛隊より進んでいたらしい。
帰り道に言われたのは…このままだと自衛隊はいずれ敗退する。だそうだ。その特戦隊も対策を練ったダンジョン側にいずれ殺される。とみている。いくつかのダンジョンで行ったまま帰ってこないダンジョンが出てきたそうで。新たな特戦隊を組む話もあるそうで。それが、自衛隊にとってマイナスだ。というのも軍隊の多くは小隊単位、中隊単位とはいえ5人、10人単位だ。
「何より、彼らの言う…勇者とやらが怖すぎる。」
そこに書かれていたのは、ダンジョンと相対せし…”勇者”の存在だ。勇者はダンジョンとの交渉の中で明らかにされた存在で、”数万のステータス”と”手から殺傷力のあるレーザー”を放ち、防御で防ぐこともできる化け物で、古代語は彼らから伝わり…そして化け物じみた勇者伝説を知っていたからこそ、こっちと和平を望んだという。…その化け物”勇者”対策を行えるダンジョンもあり、そこが動く可能性が否定できないと。そう時美さんは考えていた。大沢さんにこの話をすると、唸っていた。ついでに…とっきーは一度家族と面会させるために時美さんと家に帰った。
「そんな化け物…がちやべーじゃん。」
「そしてこっちがそれだと思ったから彼らは和平を望んだ。そうじゃないかもしれないけど…それが出てくる可能性があると向こうは見込んでいる。確かに銃はそれだけの物を持っているがダンジョンも対策はできないわけじゃない。
って事だ。そんな勇者とかいう化け物がいる世界か…。
「確かに異世界物では勇者とが凄い強いって書かれるけど、確かに敵なら考えるわ。そして数万のステータス…化け物じゃん。」
「でも悩みますね。近隣住民へは?」
「一応楢原と一緒に行くよ、向こうが菓子折り買って来るから後、なんか持って来るって。」
「でも、死ぬとは…考えませんでした。そして、人里離れているから…殺しても安全だよねとか…考えたこともありませんでした。」
「それ位の利権なんだよ。ここ。帰るのと木の時美さんは…こっちが見れないぐらいの迫力ある顔してた。社長も顔見ただけで泣きそうになってたから、大方がちだ。あれ。」
そして分かってきた…自衛隊が失踪したダンジョン…今回の質問はこんな感じだ。
『1、ダンジョンは日本国を侵略する意思はあるのか?
2、この世界やこの土地を選んだ理由は?
3、自衛隊員の失踪は関係するか?
4、そちらの言語の簡単な本などはあるか?』
である。




