29-46 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 夢見ることは大事
次の日は会社的には休みな土曜日の話、社長と奥さんと、あと一人…誰?
「息子の知り合いだ。ニートでな。ここで住まわせる代わりにプログラム関連をやってもらう。但しネットの送信は既定以外禁止させてもらった。」
「よ・・・よろしく。」
どうも下を向いて目にクマのある、中年のおっさんだった。
「よろしく、ここ、宿舎開いてるし、荷物なら入れておいてくれれば、後は頼んだ時にプログラムとか組んでくれればいいから。」
「あ、ああ、あああ、はい。」
「私の姉さんの子供でな。こいつを就職させる代わりに引き取った。が、事情が変わったのは昨日分かった。となると、部長も含め訓練が欲しいはずだ。まずは行ってくる。後…。頼んだ。」
早速奥さんと社長はダンジョンの奥に潜っていった。市民に期待が持てる以上まずは10レベルを目指すそうだ。
「…部屋にいていいの?
「ここの事聞いてない?」
なんか服装は普通だけど、着こなしが成っていない中年のおっさんは呟くように
「何?ここで頼まれたプログラムとか書けば金貰えるって聞いてきた。人づきあいが苦手で、ゲームさせてもらえるなら飯が食えればいいから。」
「いや、ここダンジョンよ。」
その言葉に目を剥いて…社長が言った穴を見つめる、
「ん!マジで!?」
「マジ。但し、夢は見られないけど…ここで大沢さんの手伝いで、プログラムとか機械系の処理してくれればダンジョン行き放題、夢のダンジョンライフもある、」
「ゴブリンいた?ゴブリン?」
「映像見る?これ。」
一応モンスターは映像で保存してある、私は電話帳の予備だけ会社において、スマホを持ち込んでいる、
「撮ってたのか?」
楢原も見に来る。
「カメラあるし、映像皮分かることもあるじゃん。んで、解析して研究してる。ただし、ここデータ送るとこれがばれるから、絶対黙ってね、最悪殺されるよ。」
「…分かった。確かにダンジョン夢あるし、そりゃあおじさんが秘密裏になんか連れ出したときからなんかあるかもと思ったわ。でも俺、勇者になっちゃうかもね。」
なんか急にニタニタして喋るオタク君の気持ちもわかる。
「後名前は?」
「新山忠利。トッシーでよろしく、で、装備とかある、山奥だけど。」
「ああ、そこに鉄パイプと、汎用の防具だ。一応あんたにはあの3Dプリンターの操縦とかやってもらうから。」
「分かった。まずダンジョン…でもおじさんがいるか。」
というかこの辺は一族だな、凄い行動力だね。私でないと見逃がしちゃうね。
「こっち来て。とりあえず楢原も。」
「坊ちゃん、説明するから。んで、装備も足りないなら大沢さんが簡単な物なら作ってくれるから。
「え?いいの?鍛冶屋付きとか勝ち組じゃん。」
「あ、そこは夢見ない方がいいよ。その勝ち馬に乗れない奴もいるからね。」




