29-43 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 私は田舎で暮らしてる
帰った私はいろいろ考えていた。どうする?今後の戦闘、流石に素手が楽だが、ゴブリンを素手で殴る感触で泣きそうだ。
「どうした?」
「ゴブリン出た。」
「おおー!どうだった?」
とりあえず、ボス部屋とその状況を説明すると、流石に楢原も考え始めた。
「そう言えば、西川の武器は素手だもんな。今後毒蛇とか触る可能性もあるよな。そしたら最後死ぬじゃん。」
「言うなし。ガチで、キモくて帰ってきた。後これ、社長ありが解析すると思うよ。」
「…確かに、回収して会社持ってくわ。今日は大沢さんに留守番任せて買いに行ったらどうだ?後、今後の投入物資探して来いってさ。それも含め、俺は先に持って帰る。」
見た感じ銅貨であるゴブリン産コインと、ボス産の金貨。これが本当に金なのか、変な含有物がまぎれていないのか、その為の検体にする気らしい。
「分かりました、こっちは待機してますよ、と言っても、そこの宿舎が家なんですけどね。」
「じゃ、頼んます。ちょっと気晴らしで出てきます。帰りは遅くなるから。」
まずは食料とか、買ってこないと。後ガソリン。
まあ、ド田舎だけあって、実は私のいる集落では4人…2世帯だけ住んでる。が、まあ実はあまり仲がよろしくない。実は今住んでいる家の持ち主があのダンジョンのある山一帯を社長に売って…で、閑静な山奥に一週間に一度とはいえゴミ積んだトラックが往復するんだ。その難というか、この家の前の持ち主の下っ端的に思われた私は、集落で当然孤立した。と言っても挨拶はしたし、引っ越しそばも菓子折りも持って行ったが。騒音のあれで…お互い話さないんだ。その為、私が昼に家に戻ってもないもない、ついでに鍵も掛けてある。そこに戻ると、急いで…車に乗って…
「すまないが…西川さん。」
「なに?」
そのはす向かいの家の…おじいちゃんだ。
「妻の腰の具合が悪くなってね。できれば車で連れて行ってもらえないか?」
こんなド田舎だけあって車は誰かが運転できる、なおバスは来ていない。
「いいですけど何かあったんです?」
「わしも行きたいが…やらないといけない事があってね。できれば。」
「いいですよ。但し、私も用事があるので医者に送っていった後は、帰るに…タクシー使ってもらいますけど。」
「それでいい。すまないな。」
そう言うと、おじいちゃんは急いで家の中に戻った。その間に私は車の準備を始める。そして、家の前に止めると、腰を痛そうにさするおばあちゃんの姿があった。
「ぎっくり腰で済まないね。」
「いえいえ。では…行きますよ。」
「○○医院でお願いします。」
遠いけど、道を通った先にあるついでに行ける場所だ。
「分かりました。」




