29-42 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 ランダムドロップってこういうのじゃないと思う。
あまりあっさり過ぎるけど、本を読んだ限り、真逆でかなりギャンブル性の高い格闘技が相撲だ。一撃が決まらないならこっちが死ぬだけ。あの張り手も一撃で仕留めれないなら死ぬのはこっちだという…ギャンブル性の高い攻撃だ。うん、ガチで
「きついわ。」
でもボスを倒すと…ん?床にコインが落ちてる?近くには日本語の壁の書き込みがある。
『ボスガチャ。一回金貨1枚』
は?これ?よく見ると、次の部屋行きの扉の横に小さなガチャが置いてある。
「回せって事だよね。回して…いや、持ち帰るか。いや、回す。」
かなり悩んだ。というのも聞いたことないだろうか。日本で金を持って帰るのには”証明書”が欲しいのである。この金塊一枚でも今の取引額なら、10万ぐらいになる。凄い収入だ。が、持って行ったら最後捕まる。んで、ダンジョンが―ってなる。危ない橋だ。そうでないなら、これが本当の金貨か”確認”しないといけない。どっちがいいのか…いや。
「持って帰るか。売れないけど。」
そのまま、次の階層に向かう、ただこれが事実上本当の4Fだけど…なんか…匂う?
「なにこれ?」
匂いもあるけど石畳も迷宮も変わらないが…そして木がある事。ただし…木にかじりつくゴブリンがいる事だ。ちょっと待て!ボスがもう一体とかいるのかよ!違う!4Fの敵がゴブリンなんだ。がさらにおかしい事が発生した。
…。
「うっわ、ガチでこっちの事無視してんじゃん。」
そう、こっちの事を気にせずに気にかじりついてるのだ。って事こういう事か?”まず人間を知らないか、人間に興味ないゴブリン??”そう言えばそうだ。ゴブリンもこちらが敵対しない限り、飯の方がいい。人間がうまそうに見えない限り…え…あ…今の私の格好ヤバくない?スポブラ上半身と廻しだよ?人間が旨くないって話もここではないかもしれん、そして何よりここのゴブリン…”飢えてる”。こっちを肉と認識されかねない。すまないが…私は構えると、背中を向けたゴブリンに全力で張り手をぶちかました。感触がえぐいが我慢する。今度から実力下がってもいい。絶対手袋買おう。これは気持ち悪い。そう、肉を押しつぶす感触が手に響いた。…帰るわ。ん?ゴブリンの足元には一枚のコインが落ちていた。回収して帰るか。




