29-36 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 きっと相方の方が有能
私は次の日になると、事務所で一人ぼーっとしていた。大沢さんの武器防具の確認と後、持ち帰りの体制の構築方法。そのために、楢原たちはダンジョンに潜っていった。私は監視カメラの確認で一人いる。
というのもダンジョンに潜ってる奴がいる関係上、その出入り口を公開させる訳いかない。だから一人見張りを建てるのが鉄則になった。ついでにダンジョンの出入り口は封鎖してないが、リサイクル工場は施錠してある。その間に私はネットで、ダンジョンとかを検索してみる。やはり、ダンジョン捜索クラウドファンディングとかダンジョン開放に向けた武器防具の開発計画を上げる企業など、様々だ。また県などでダンジョンがある場合には県知事がダンジョンの解放を訴えるというパフォーマンスもされていた。
「ガチでいろんなものがあるな。さて、肉でもちょっと加工するか。」
一応、昨日ウサギが結構出たので、ドロップ率の割合も書いたけど12%くらいと肉のドロップ率が少なく、持って帰れた肉は4等分だった。ついでに頭無しだけど筋はあったので、包丁で筋を抜いた後、楢原が昨日買って来た手動ミンサーに肉を入れ、回し始める。ウサギなんだけど、地味にこのウサギ肉…旨そうじゃない。というのもなんか肉質が固いんだ。重いミンチのハンドルを回し終えると、その肉を使ってまずはハンバーグを作る油を引いて…つなぎとしてパン粉や卵を入れて…普通に焼く。一応私は中学校家庭科程度の料理の腕なので、自炊には自信がない。焼いて調味料が付いてりゃうまい。というぐらいだ。初めてじゃないから、レシピに無い料理作るの。んで作った感想としてはまずい。
「なにやってんの?」
「焼いてみたって奴、例のウサギ。」
「ああ、俺にもちょうだい。」
なんか大沢さん含め早く帰ってきたな。
「いやあ、なんか職業に進化可能とか出て、すぐに戻ってきたんですよ。」
「もしかして抜いちゃうかもしれんな―。」
そう言って楢原は自慢げにスマホを見せてきた。
市民LV1:(100%)市民LV1:(100%)市民は住む権利が保障されて初めて市民である、
市民LV2:(100%)市民は戸籍が無くてなならない。
市民LV3:(100%)市民は住む場所があって市民である。
市民LV4:(100%)市民は周りに認知されて市民である。
市民LV5:(100%)市民は家族もいることが市民である。
市民LV6:(100%)市民は教育を受けて市民である。
市民LV7:(100%)市民は人権が守られていて市民である。
市民LV8:(100%)市民はパスポートを持っていれば市民である。。
市民LV9:(100%)市民は周囲に歓迎されて市民である。
市民LV10:(100%)市民は労働と納税の義務がある。
どうも市民にはアーツがない。その代わり
『転職可能になりました、以下の三つから選んでください。』
A:会社員(営業) B:科学者 C:魔術師
興奮している楢原はともかく私も興奮していた。が
「なんで、こんなにガチCじゃん。」
「いやあね。自慢したいのもあったけど、これもしかして転職の際に結構自由あるかもしれん。が問題は納税がどのラインかだ。」
「どういう事?」
「例えば消費税は俺たち全員自動で取られているから、これだけだと、外国人でも成立しちまう。」
「あ…。」
「で、もう一つは10レベルが区切りになるって事だ。進化のな。これはかなり大きい事だ。後、なんか、パーティ適応があるのもわかってきた。」
「パーティ?」
「一定距離にいると自動で経験値っぽい討伐記録が分散しているというか、ソロの方が大きいんだけど、」
「もしかして…。」
「3階でちょっと稼いできた。あそこ敵は多いんだ。HPのギリギリで交代して休憩しながら戦ってた。HPがある限りは痛くないけどどうも、体の表面2cmだな。HPの壁があるの。それ以上だと防具の方が優先される。でも防具で、HPの代わりができるから。そう考えると防具をどう見るか…すごい大事なんだ。」
「確かに。」
楢原の興奮はやはり、ガチでキモい。
「でも10レベルで好きな職業に慣れるんですよね。でもなんで楢原さんに魔術師が?」
「ああ、それ。ガチで会社での楢原のあだ名。あいつ何でもすぐに持ってくるから魔術師とか詐欺師って言われてた。」
「マジ?俺そんなふうに思われてたの?」
「マジ。手品師みたいに何処からともなくもの出すじゃん。だから。」
「…うっワ。会社で色々考えるべきか?」
楢原は何となく喜べない感じになってしまったようだ。




