29-34 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 手先が器用が町工場
2Fで自分の防具を加工するという事で、大沢さんを地上に送り、私は軽く日課の一番をやって、防具づくりを見ることにした。実はここはリサイクル工場なので、スクラップも基本素材は分離してあるし電気炉もある。
「自分の分だけでも作りますね。」
そう言うと工具箱をあさり、いくつものテープなどを使い、鉄板を組み立てていく。そして、旋盤で穴をあけていく。
「なんか、鉄板薄くない?」
「3層構造ですよ。」
「3層?」
「最低でも足の防具がないとここではきついでしょ。私も足ばかり狙われるのはきついので、後、安全靴だと足が蒸れるんで、まずは、レッグプロテクター作ろうかと。」
「ガチ作れるの?」
大沢さんが疑わしそうに作っているところを見ている。
「今作ってますね。」
カッターで何かのスポンジを切るとその前に用意された鉄の塊を板の形にして、その防具からスポンジを噛ませて鉄板を重ねていました。
「これでいいはずです。もう一個作れ害意と思いますが…」
「早いんですね。」
「まあ、これ位なら。前進もこれでいいならこれなんですが、後、オートミンサーは型だけ作っておきますね。」
なんか、色々作ってる。
「そう言えば、スキル、ありました?」
「ありましたよ鑑定ですね。」
「鑑定ですか!?」
「だけどね、鑑定はダンジョン内で、床と…モンスターだけだったんだ。こっちのは、ダンジョン出ても、機能しないからハズレなんだ。」
「あ…あ…すいません。」
鑑定かー。ダンジョンにアイテム多ければなるけど、そうでないなら鑑定できないって…ガチ辛いわ。今だとほとんど鑑定できないからね。
「いいんだよ、職人だからちょっとうれしくもあったんだよね。ちょっと微妙だけど、」
そう言いながら手を動かし、防具を作っていく。
「でも数多くないですか?」
「楢原氏の分も作るんだよ。市民は二人いて、社長さんもレベリングするそうだから、まずは足の防具量産するかなって。できれば、3Fの調査で、次に作るもの決めるから…お願いしますね。」
優しい感じなんだけど、圧が強いんだよな、大沢さんは。




