29-31 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 借金のかたで雇う側
新しい人が来る日になり今日のダンジョンは中断して待ち構えていた。昨日どうにか2Fのマッピングが終わり、3Fの入り口もみえてきた。が行かなかった。半日縛りがないなら奥に行けるけど、次の日に最短経路使った方がいい。3Fは覗いたけど…2Fよりさらに複雑なのが…ダンジョンの石畳に草が生えている事だ。それ以上はやめてきた。一応の会計と朝にフォークを使って簡単に整備をした後…車の音が聞こえてきた。かなり大きい。トラックか。少し待つと、トラックのかなり重い音が聞こえてくる。振動の音が大きいと詰んだ荷物が多い証だ。そして、目の前に車が止まる。
「よう、連れてきたぞ。」
「ここが…で…何を?」
降りてきたのはさえない感じの中年のおじさん…以外の印象がないおじさんだった。
「あ、よろしくお願いします。ここの社長の西川です。」
「あ、よろしくお願いします。私は…開発担当だと言われました大沢加工の大沢ですよろしくお願いします。」
慌ててお互い挨拶をする。どうも楢原も慣れていないようだ。
「んで、西川ちゃん手伝って、工場の道具とか全部工場内に下ろすから。」
「あ、分かった。」
私は急いで台車を持って来て機会を楢原と二人がかりで運んでいく。
「ここで何をするのか、全然聞かされなくて。」
「ああ、当然だな。はっきり言って重大だからな。あと、」
「分かってます。借金を持ってもらった上に孫たちの学費も出してもらった以上その分は働きます。」
「分かったなら、プレハブに工具運ぶから。後…先にやって欲しい事がある。」
「なんです?」
「西川。後は頼んだ。今日は積んだもの下ろすから。」
「あいよ。大沢さん。こっちに。」
「あ、はい。」
大沢さんを呼ぶと、例のダンジョン穴を指さす。
「ここに入ってはしいんだわ。」
「…あ…ああ!あああ!ああ、そう言う事でしたか。」
なんか全部悟ってくれた。
「まず、そこのロッカーに大事な物を預けて。でないと。」
「あ、はい!はい!」
少し呆けた顔で、慌ててロッカーに向かうとポケットの物をしまい始めた。
「あたしは違うけど、取りあえずそこにあるスコップとメットかぶって。」
これは前回楢原が来た時に置いていったものだ。今後を考えるとこれがいいらしい。
「じゃ、取りあえず、これ読んでください。資料なので。」
「ありがとうございます。」
そう言って大沢さんは熟読を始める。昨日のうちにまとめておいた。ダンジョンの資料と1Fの地図だ。ついでに全部の通をを巡回ウするには…3時間ぐらいかかる。2Fも一緒位の大きさだけど、モンスターが違う。
「で、モンスターを倒すのが目的です。一体倒せばいいので、それで頑張ってください。」
「あ、ああ、はい。」
「んで、大沢さんには…その短剣にだれても冒険できるのに必要な物の開発ですね。西川の分は要らないんで。」
大沢さんの反応はない。熟読しているようだ。
「持ち込んでもいいですけど、タイミング悪いと食われるので、それはここにおいてくださいね。」
「あ、ああ。はい。」




