29-30 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 あの求人に人が来るなんて出した側が信じられない
後悔された動画によりさらに…ダンジョン開放圧力高まる中、政府側は安全確認の名目で、…全国の警察と自衛隊を総動員させて…ダンジョンに入れる作業が始まった。
「それにより、ダンジョン装備関連の業界が…動き始めた。んで、一人来るぞ。」
こっちに来た楢原が、休憩中の私を捕まえて言った。今日はトラックできたらしい。
「ガチ?山奥に?」
「ああ、求人じゃねえが。ある失敗した工場の経営者だ。旋盤加工が得意でその会社ごと買って送り込むんだと。で、今後会社の買収からの人員も厳しいと今日メールが来た。」
「なんで?」
「他社でも同じことが起き始めた。思ったよりダンジョンの仕様公開が早かったんだよ!大方狙いは”回復魔法”だ。回復魔法が欲しくて…。」
楢原の言っていることに違和感ある。普通医師会と改良系の邪魔になるとか言って妨害するんじゃねえの?
「普通逆じゃね?」
「いや、ダンジョンの攻略って意味もあるが…伝説の回復魔法があれば…寿命が伸ばせる可能性があるんだ。可能性だが…それがあるだけでも違いし、第一公表されるほど出てこれば医者だけじゃない…企業のだれもが欲しがる。」
「そりゃあ、回復魔法、あればガチで便利っしょ。」
楢原はペットボトルのコーヒーをあおるように飲んでいた。
「違うんだよ。世間で労災どれくらいある?仕事中の怪我もよ。しかもあれば事故を”隠ぺい”できる。これが大きい。又は…徹夜のガンギマリした社員とかにヒール掛けて体軽くするだけでも全然違う。回復魔法があれば世間はもっと…効率化する。」
「ブラックじゃね?」
「そうともいえるが、それを考える経営者が多いかのう性が高いって事だ。」
「でもダンジョン内だけだろ?」
「一応、ここもそうだが。ある条件満たせばダンジョン内に工場は作れるんだ。」
「なんで?」
「誰が見てれば保存されるんだろ?見張り建てればいい。小物は消えるかもしれんが、でかい機会とかは視界から外しにくいからな。監視さえしていれば可能…だと思う。」
疲労回復にヒール。
「そううまくいかないっしょ。ガチで。」
「そう思って探すやつが出て来るって事が大事だ。よく言う商売の鉄則にこういう物がある。”ゴールドラッシュで一番儲けたのは金を掘る為のスコップを売った会社”だ。当然そう言う奴がいれば…当然用意する奴がいればいい。ここはそう言うのを開発する・・・・場所って事だ。」
「まあいいけどね。」
「ただ、ネットの情報うだと…どうも公開されていない…ダンジョンもあるという話もちらほら出てきた。やっぱり隠した奴も多いって事だ。」
「あたしが調べる時はニュースだけを見るから。でも…」
「それでいい。仕事は…明日そいつ連れて来るから。二人で頑張ってくれ。後、これ、フォークで運んでくれない?」
「何これ?」
「自販機。安く設定しておくから買ってよ。」
そこには最新型の自販機が置いてあった。
「ポケット?」
「いや、相場ケミカルの驕りが半分だ。後使えるの現金だけだぞ。」
仕事増やしやがって、ガチで…まあ買い物が楽になればいいか。




