29-24 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 小説では出てこない組織が幅を利かせてる。
「俺は検証した結果を持って、今回のプロジェクトを監督してる。プロジェクトは会社でも秘密だからな。」
「西川君と楢原君は今回のプロジェクトの肝だ。」
あまりそう言うのはガチでダメだけど、こうなったら仕方ない。というよりスキルに”他人が必要”とか、隠すには私のスキルがやばすぎた。
「でも一人だけだよね。」
その言葉に楢原も部長も呆れていた。
「お前、信頼できる親友何人いる?特にSNSに上げない保証する奴。」
「あ、いないわ。」
SNSに上げないと言われると、まったくいない。今では大抵の人間はSNSに上げちゃうからだ。
「でもそんなに警戒してるの?」
「社長が言うには、兄妹にも報告してない。…こういうのはスパイ関連がありうるからな。」
スパイとかあるの?
「うかつに動けないんだよ。」
「どういう事?」
「業界にダンジョン関連開発と…なぜかダンジョン開放がありうるという情報が駆け回ってるんだ。営業はその話をリークで貰ってる。業界でその開発需要を狙ってる。特にホビーダンジョンのな。」
あ、あのダンジョンか…。
「ただ、そこでダンジョンの情報に関して、兄妹からの報告がなくなったから…どうもまずい事があったらしい。社長はそれが”職業”だと判断してる、」
「職業が?」
「アドバンテージがあろうが、当然…楢原みたいな非戦闘職を引いた自衛隊員とか…もっと問題はこの状態はダンジョンに使える人間、使えない。って奴が生まれる。」
「あ…。」
私も苦労したから。ダメな物はだめって事?
「特に警察と、警察OBの警備会社で…大方凄い荒れるぞ。だから、そんなにうまくいかない。」
「今のクラン体制が?」
「無くなるか、募集した一般人突っ込んでから鍛える方式になるかだが…それもない。」
部長の顔も渋い。というか、ガチで開設を交互に話さないでほしい。
「どういう事?」
「たとえだ。ステータスが%なら4ケタになるまでは差が生まれない。柔道とかの知識の方が上回る。だからと言って、今度はダンジョン職業が”戦闘系”の警察官や自衛隊員の方とは格段の差が生まれる。それは、今県道とかの道場でも…ありうる。それが問題なんだ。」
「どういう事?」
「齧った程度の武術でも、あれば越えうるんだ。例えば高校柔道部だった奴で戦闘職ひいた奴は?」
「あ…。」
ステータスが人の数倍まで行って…しかも武術経験者なら…自衛隊でもかなわない化け物が生まれうる…。
「でその辺がネックで、開放してでも冒険者集めるって話…も難しいんだ。それが東京スタンピードの件だ。あれで被害を出すくらいなら…警察や自衛隊から戦闘職を作ってでも広げるって意見もあるんじゃないか…。って社長も言っていた。」
東京スタンピードは世界に魔物という物を大々的に広めた…危険性を証明したものだ。けど…。
「という事は開放はない?」
「5分とみて、社長は動いてる。今は大方ラノベにある…ダンジョンを隠している奴をあぶるのに政府は注力しているはずだからな。その為に警戒してる。」
こんな山奥にダンジョンできる利点なんてないからね。でもどうなるんだガチで。




