29-23 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 まず秘密を共有するのは信頼できる家族
その日一日かけて、調査。大体一日でいうと、朝着て昼までダンジョンに潜ってマッピング。で、それが終わると昼から買いに行く。楢原は二日に一回来る。でその間レベルアップは無し。どうも土俵を使わないと経験値にならない模様。また厄介な職業になったものだ。そしてその間に工場横にはトラックからプレハブを持ち込み簡易宿泊所を建築、ついでに楢原は事務所で寝泊まりする事になった。私が現場だから仕方ない。とはいえ、社長だけがダンジョンで実務よ。ガチでどうよ?その間分かったのが、レベルアップには二つの条件が欲しい。それが”お題成就”と”経験値”の二つだ。お題成就はレベルの上限を、そして敵を倒した数はそのままレベルアップになる。ついでにミカン農家のは楢原はこんな感じだ。
名前:楢原卓也
職業:ミカン農家LV9
HP:17 MP:22 STR:12 VIT:19 INT:22
スキル:瞑想LV3
職業スキル:ミカン再生、みかん再生成
称号:なし
レベルアップの条件が優しかったものの今度はステータスが伸びない事。そしてもう一つ分かったのがレベルに応じて”職業スキル”がある事。そして職業によって得られるレベルが違う事だ。だって、楢原は一気にレベルが7まで上がり、そこでスキルの一つ目であるミカン再生を覚えた。ミカン再生はミカンに限り根元の根っこをひっくり返さない限り傷の治療ができる。だからどうよと言う感じだ。なお再生成は何が起きているのかわからないがミカンの木に何かを起こしているらしい。書いてあるのだと。DNAをシャッフルするみたいなことが書いてあったが、これは…あいつ自身が顕微鏡片手に検証しているが…このリサイクル工場の施設では無理だった。
そして土曜日には会社が休みであり、その間に3人の人間が来ていた。どうも社長の家族と部長だ。
「これが…ダンジョン。」
「地下一階は安全と聞いている、明りは要るが…。」
社長の一家は奥さんが来ていただけだ。当然機密はある。
「分かっている事を言うぞ。よく聞け。」
そう言って社長がダンジョンの説明会を行っている。その間に部長は
「何やってるんです?』
「弓作ってるんだよ。工作で出来るタイプな。」
かなり大きめの竹の板に切れ目を入れて、そこに釣り糸を縛り付けて…そこにハンダゴテでハンダ付けしている。
「むしろ戦闘職の方がつらいぞ。これ。買いに行けないからな。」
「どしてです?」
「ばれるだろうが、武器なんて買いに行けば。弓なんて特に!」
「あ、ですね。すいません。」
その間に楢原がレポート片手に紙のデータを手渡している、説明を聞いて…かなり怖がっているようだ。
「ですので、2階に下りる階段を見つけても下りないようにお願いします。…死んでも責任はとれません。なおダンジョンに捨てた物は漏れなく消滅します。ここで貴重品をロッカーに入れて無くしていいダンジョン装備だけを付けてください。特に2階からは不意打ちがあるので、最悪死にます。」
ついでにこの講習は大阪ダンジョンでも一緒だ。ダンジョンでもあるのは一緒なので、当然荷物を落として、目を離せばその道具は消滅する。落としたりすればなくなる。だから当然ダンジョンに入る前に貴重品はダンジョンに持ち込まない。そして、そのまま社長たちはダンジョンに入っていった。
「部長は入らないんですか?」
「社長の家族が出てからだ。後、例の…見せてくれ。」
「あ、はい。」
楢原は自分のスマホを部長に渡す。
「何撮ってるの?」
「スライムだ。後ろで付いて行って後、明りは感知してないらしいから。正面もサイドも撮った。」
「でもなんで、こんな…。」
「こっち来い、説明するから。」




