29-22 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 文明の利器が凸凹に否定される
手持ちのカップラーメンを食い、そのままダンジョンに降りる。
「でもさ。レベルアップしたいの?」
「ダンジョンでレベルアップすれば、最悪ここで仕事すればいいとか考えたくない?」
「あ、それは考えた。」
確かに腕力とか上がればそうだよね。
「ただ、この書き方だと、ダンジョン外でも鍛えないと、ステータスあっても効果ないっぽいんだよね。んで、普通考えてみて、そんな言うほど…会社員は体鍛えてないだろ?」
「あ…。」
そう言えば私も鍛えてない。
「だから。鍛えたほうがいい、せめて持久力でランニングとかな。但しダンジョン行ってれば、距離的に鍛えれるかもしれんな。」
「そう言うもの?」
「俺は嫌だぞ。」
そう言うと、抱えてきた…キックボードを置いた。
「それは?」
「凹凸はあるけどな。電動キックボードならダイジョブだろ。もって来た。」
「あ、ここ無理だ。」
「なんで?」
「ここのスライム、サッカーボールくらいの大きさあるし、ぶつかるとコケるぞ。」
私が手招きして身を隠させると、そこをスライムが通っていく、この一階は地味に十字路が多く、スライムが交差する。
「でも、止まればいいんじゃねえ?」
「それさ、下みて走れる?あとマップみた?」
そう、私は地味にマッピングを行い、マップは作っておいたのだ。…結構広いんだここ。体育館より広い部屋、そして、地味に幅5mの通路は狭い。私とかならいいけど二人で通るのが限界だ。が、そこが問題ではない。剣を振り回すには先頭一人。なんだけど、あのスライム、踏んでわかるけど、重い。ウサギは軽いけど事故が怖い。
「・・・すまん。ちょっと置いてくる。」
慌てて楢原がキックボードを上に持って行った。実は自転車とかも考えたけど、後ここにはないけどトラップとか怖いんだよね。だから怖くて乗り物系は使えない。実際…ライト無いと暗いダンジョンはきつい。いや、ダンジョンだからと言って2Fも灯ないよ。一階もね。私は首下げスマホ使ってるけど、楢原はネットライトで照明取ってる。実際この暗さでトラップだと…色次第だとガチ全然わからん。だけど、スライムはだからこそっていうか、物陰に隠れるだけで、明りがないから…どうもあのスライムって”視覚”がメインで認識してるっぽいんだよね。ついでにウサギはガチ全然わからん。だけど暗闇でもないか、それに近い明るさでも正確に体当たりしてくるから、ゴブリン程でもないけど、きつい相手だと思う。いや、ゴブリンガチ会ったことないけどね。
「戻ったぞ。補遺じゃあ、行くか、後スライム倒した方がいいか?」
「うん。ガチで。」
「聞いてたから、キック用に安全靴も買って来たんだ。」
「うっわ。よく用意したね。」
「後、今週末に…6人ほど来るから、ダンジョンほどほどにして、後で布団買いに行くからな。最悪そっちの家も使って泊まる予定だから、西川は奥に行ってマッピング頼むわ。俺はステータスのとかの検証しておく。」
そう言えば楢原って、細かい所に気が回る理系大学の出身で。私は文系なんだよね。ま、いいけど、でも6人か。厄介な。でも限界か、それ位が。
「じゃあな。」
社長も理系で結構頭いいらしいからね。まあ、とっとと行こう。ウサギだけを土俵で狙って倒さないと。というか4レベルで止まってるから。でもどうするかな。




