29-19 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 いつの間にか親が生えていた
次の日の朝には私以外全員がいなくなり…メールで
『一度必要物資を持ってくる。俺は監査役としてくる。一応会社だからな。独立採算取ってもらわんといかんからその方式を考えないといかん。んで、ホムセン寄ってくから、買ってきて欲しいものあるか?』
『飯。あとはない。頼む。』
私のメールは…顔文字が好きじゃないせいか、ガチ味気ないと怒られたこともある。ボッチではギリギリないけどここ数年山奥でボッチ生活してて、二面性みたいなものを感じる。…きょうは昼をダンジョンで食うか。
ダンジョンの中で、取りあえず一回のマッピングは済ませてあり、2階に行ける。そして2階には…少し緊張する相手がいる。それがウサギだ。いや、ウサギと侮るなかれ、すぐに逃げる。しかもこっちが見てない所を狙って背中とか体当たりしてくる。それが地味につらい、普通のウサギは憶病で攻撃しないはずのか弱い生き物だが、ダンジョンのウサギはある意味狂暴だ。が、私はソロなうえに…職業で防具も付けれない。だから…本来より打撃がよく効く。しかもレベルアップしても効果は体感できない上に制限だけが凄く大きい。まあ、それでも気が楽にはなっている。それでも私はここで戦える職業をしていた。何割か知らないけどこの職業がSRの可能性もある。否、そう書いてないけど。でも…あいつらのせいで、入り口周辺を探って帰る日々だ。背中とか体当たりされて結構いたい。モフモフの相手のおかげで怪我する程じゃないけど、打撲で痛い。防具付けれる他の奴なら気にならんだろうなという感じだ。そして何より体当たりした相手が衝撃で倒れたところを…分で攻撃するのが躊躇うんだ。私は。そして連中はすぐに逃げ出す。根本的にここのモンスターが可愛すぎてすっごい辛いんだ。レベルアップすれば変わるかもしれないが。今日も、いつものように会談に座って…休憩する。そう言えば。
「これ食っておくか。ちょっと休憩だ。」
パンは市販のソコソコ高いパンで、ジュースは普通のだ。食べてもうまいわけじゃないが、コンビニパンは久々かな。
『レベルアップしました。レベルアップしました。』
は?食べ終わったら。レベルアップ…いや、いやいやいや、ちょっと待て、ちゃんこってそれか!って事は私はガチは楢原を親とみてるって事か!?ふざけるな!…でもレベルアップが2回?ステータスから職業を…
相撲TIPS:序の口(56%)相撲は土俵の上で戦う。土俵には夢があり希望も絶望もすべて神聖なる土俵に埋まっている。土俵に手をついた時が戦闘開始であり、土俵から出た者は者は敗者である。
なんだこれ?レベルは4までアップしているから。一段階越している、一気に2レベルとか条件さえ満たしていれば急激なレベルアップもあるみたいだ。が次の条件はガチ意味が分からん。ここ、電波通じてないから外に出ないと検索できないし、一応、休憩できたから探索してみるか、次の通路の先から曲がって、そこから…このダンジョン、アプリでメモしながら動いてるけど、これかな入り組んでいて、怖いんだよね。ガチで。しかも石畳なのに敵がどこから来るか全然わからん、地味にここのウサギこの石畳と同じ色合いで、全然気が付かんし、見にくい。ガチ怖い。が!又か! 吹き飛ばされて、倒れるし立ち上がったら…
『一日目の取組を開始します。』
ん?なんだ?いつの間にか、私とウサギの間には土俵が出来ていた。とうぜん、うさぎはあわてて、そのえんのそとにで・・・でぇ!?・・・なんかガチでおかしい事が起きた。
『西川の勝ち。』
まず信じられないけど土俵が出来て当然動物であるウサギは4本の足なので、そこは関係ない。がその後土俵から出た瞬間に何かに捻られたような体に痣が出来て…倒れた。そして、そのまま…ウサギは倒された。
『本日の取り組みは終了します。お疲れさまでした。』
…なんかすごい能力だな。これ、ガチでSRかもしれん。ルール知らん相手には絶対的な強さあるわ。あ、なんか落ちてる。




