29-15 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 師匠を頼んでみる
久々に車で送っても売うリサイクル工場息は…早かった。が、車中で考えた、この手しかないんじゃないか?ここが生産拠点ってなると、当然工場ど真ん中に空いた穴は邪魔だ。それに最悪工場拡張だってしないといけない。
「楢原、ガチ頼みたいことあるんだけど。」
「んだ?」
車で走って30分ほどたったころ。私は切り出した。
「ちょっと工場で相談に乗って欲しい事があるんだよ。」
「何だ?」
「ガチで、師匠になって欲しい、名義だけでいい。」
「は?」
スキルの為だ。いや、レベルアップのためだ。
「意味わからんし。頭おかしくなったのか?人恋しいとか?」
「否定しねぇ。たのめる?」
「え?頭おかしくなった?本気でいっちゃった?」
「そうじゃねえよ!…否定も出来ねぇが。」
「んじゃ、なんで?」
「…ま、工場みてからにして。」
「ああ、分かった。」
車でさらに走って30分。少し電気自転車より早いだけで工場についた。本当に道路だけが立派だからね。
「んで?とりあえず下ろすぞ。」
二人が狩りで、荷物を下ろす。車に詰まった…大型プリンターの一部だ。後はコンソール(PC接続可能)と起動用レールを運ばないといけないらしい。
「…んでどうして、そんな気の狂ったこと言ったんだ?」
「ガチでこっち来てみ?」
私はいつもの職場のリサイクルレーンの隠れた先の大穴を指さす。
「…な、あ…これ!?」
「そ、ダンジョンだ。」
「いやマジでこれ不味くねぇか?」
流石にあの不敵な楢原でも怖そうに洞穴の奥を見つめる。
「…これ、行ってこい。」
「説明しろや!マジで!」
楢原はひたすらに怒鳴り返すだけだった。




