29-5 N&D1・序章 これは悪の誘惑か
僕はルールのダンジョン能力があるが、これは一度テストで使って以来…封印してきた。余りにチートだからだ。これはルールの記述を変えるとそのルールが”最初からあった”と全員の認識が変更され、その上スキルなど全部書き換わる。文字通り”世界のルール”が変更される。但し文章決定後に”借金”でもいいからその効果の影響した分の全てをDPで支払う必要がある。リスクも高い大技。それがルールだ。がこの現在の”職業”の規定は少し問題がある。そして知っている人間が少ない…即ち書き換えても影響が薄い今なら安全に有利に書き換えることができるのだ。そしてこれに伴い幾つかのスキルを撤廃。主にステータスに関わるパッシブ勇者スキルの効果を薄くして、一般人でも使えるようにした。…俗にいう急成長関連16スキル全部撤廃した。その代わりに職業にステータス成長偏重が起こることになる。そして職業はスキル化せず、称号勇者以外書かれない。そして勇者称号喪失の条件をきっちり”自分が悪だと思う事を重大な理由もなく行った”に規定した。ただし、これは応急処置に近い。例えば”ザガートンの勇者”とかいう独自職業をザガートン国で規定された場合、それは勇者ではないので既定の外になる。国家が後ろ盾ならこの規制は回避可能なんだ。そう言う意味でもルールのスキルは世界影響の大きなものは多大なコストがかかり、そして”回避策”が生まれる可能性も生まれる。だからこそ、すべての状況が分かるまでは切り札として温存する事になった。また…僕が購入する者はダンマス全体に影響を及ぼすルール関連の購入と、安い個人購入と二つある。…その差が最近分かったので、僕のダンジョンへの投資さえ悩むようになっていた。が…そう、職業に関して不明な事もある。職業の既定と異世界転生物でよくある”自分の望まぬ職業”を与えられた人間はどうなるのか。って事だ。
「確かに。その実験はしていない…わけじゃないけど、それは見てもらった方が早いわね。ついでにイベント絡めてみる?」
「どういう事?」
神様に相談したらこう言われた。
「私はうれしいのよ。ルールとかがどんな影響になるのか、実験したくなるとか。私でもよくやるわ。後はトライアンドエラーよ。ただその影響を測定する世界の構築は大変なの。」
「それはお姉ちゃんの許可が取れればOK。でも何やるの?」
「私としてはダンジョンバトルとか、そう言うデータが欲しいの。そこで…みんなにダンジョン作って戦国物やって欲しいかなって思うの。」
「戦国だとイベント参加しないんじゃない?」
「だから、いろいろ相談したいのよ。前の投票結果もあるし。」
「分かった、相談に乗るよ。」




