28-冬SP12 信仰と生産と主神と
実は神様的に置いて、自分の世界があるというのは信仰心稼ぎ及びDP稼ぎにおいてかなり強力だ。スポナーに”魔術神を信仰している”と書いて放出すればそれだけで信徒が出来上がり、それを繰り返すだけで信仰心もDPも稼げるからだ。ただしこの複利効果は時間がかかる。そのうえ、人間のDP効率はどうも文明レベル及び”精神の機微の揺れ”の頻度に応じるようだ。魔力と魔法がどのように関係しているかはまだ分かっていないが、例えばミーアの音楽酒場で歌を歌いながら宴会している冒険者のグループとその街の反対側で
祝勝パーティを開いている冒険者グループではDPの収益的に30倍以上の差があった。それだけ満足させたり、信仰心においても単に使途がいるだけではなくその”信仰を実感”させると信仰心の稼げる値はどんどん大きくなる。んだそうだ。がこれだと地上では信仰心を稼ぐ必要が無くなってしまい…それがなんとなく嫌なんだという。
「私達の問題なんだけどね…。」
お姉ちゃんもちょっとしょげていた。
「最初はいいのよ。信仰心を稼げるのが嬉しかった。だけどやりがい的には教えを聞いてもらって信仰してもらうこっちの住人のほうが得難い気がするのよ。本物と偽物的な?」
「そうね。だから…こっちはこっちで増やすけど…。そうではない…勧誘活動とかやりたいのよ。その際にスローペース過ぎる世界というのは…。」
結構贅沢かもしれないが…僕には…という訳にもいかないか…。
「とりあえず、ネタが仕上がるまではこうして普通の生活でもいいんじゃない?」
「そう?」
「今のところ安泰だからね。冒険譚らしい冒険はここじゃない世界の方が多いよ。」
というより、僕たちが関わらないだけでそういうドラマはいっぱいあると思う。ただそれが”僕たちの目に入る位置に無かった”だけで。
「それなら、少し、時々帰って来るけど…冒険者として色々周ってみるかな。懐かしいけど。」
「でもせめて春からにしてね。」
実際地上では冬であり…冒険者や商人の多くは町に籠る季節だったりする。雪が地味に体を冷やして…野営できなくさせているのだ。嫌日本の頃みたいな1mの豪雪は無いが。大体10㎝積もるのが関の山だが…。天候が生まれて一年目。冒険者の多くは常温であるダンジョンに向かい…温まりに行っている。ただ、ダンジョンに閉鎖時間が国で定められていて。でなくてはならないが…。暖の迷宮、寒の迷宮の双方とも実は最初のフロアに限り…温度はそこまで大きく変わらない。そして雪が初めてに近いというかそれでも慌ててないのはなぜかわからないが…それでも迷宮内は雪が降る冬よりは暖かい。この時期に出かけて、隣町に着いたりすると…商人でもない限り絶対目立つし、疑われる。
「分かったよ。ナオ君とその間しっぽりしてるかな。」
「私は時々依頼で動いているけどね。」
「そう?」
「ほら、魔法で周辺温度を調節する”火の加護”とかあるでしょ。あれを付与した衣装とかアクセとか作って。」
「え?今の衣装って?」
「ああ、今のリューネの衣装はジ・アースで衣装を加工してもらってあの衣装そっくりに作った上で糸はミーアに頼んで私やコクヨウの生え代わりで抜け落ちた鱗を使ったものを実験的に使った意匠を作ってるのよ。」
何それと思って聞いてみると、どうもドラゴンはお腹いっぱいになって寝ると。その時の食べた物の成分に応じて…鱗が生え代わるらしい。そしてそれは…非常に魔力を豊富に含む”元の素材との合金”になって出てくるのだという。例えば銀を食えばミスリルの鱗が生えてくる。しかも通常ミスリルに加えて”弾性”と”粘着性”を備えた物になる。金も枚数は少ないもののそう言う金色の鱗が出来上がる。なおアダマンタイトは体質に合わなくて消化できなかった。ただアルミ、タングステンなども食べる事が出来たのではあるが…問題は生え代わり世誘発はするためには数千万DPの鉱石を食べる必要があり…それがまた…リューネさんの舌的には拷問だったそうだ。名誉のために言っておくとドラゴンは鉱物などに”味”を感じることができるので、それなりに食べればする。がここで邪魔するのは人間としての”料理”との差だった。単調に砂糖だけ舐める生活を人間ができるのかというとそうはならない。それと一緒でリューネさんにとって単一種の金属だけで腹を満たすというのは精神的に来るものがあるそうだ。なお、そうして出来た金属製の鱗をミーアは頑張って消化して糸にして…今のリューネさんの衣装素材としたのだ。そうして出来た対象に”逆鱗”を抜いて付与を掛けて…リューネさん的には最上のチャイナドレスが出来上がったそうだ。
「すっごい手間がかかってるね。」
「かなり強い”魔力備蓄効果”もあって素材としてはかなり面白いわ。」
「いーなー。」
お姉ちゃんは基本マギウスアーマーなので、鎧の魔物だったりするので、そういう素材関連は憧れる所が出てきてるのかもしれない。
「でも売り物には…ならないよね。」
「ならないわね。出したら…市場もだけどダンマス界隈が騒然とし過ぎてるわ。」
「そんな凄いの?」
「一応こっちのダンジョン作ったついでに実験してみたら…ショットガンのケージ弾ぐらいなら無痛で耐えれるわよ。アンチマテリアルライフルで軽く吹き飛ぶぐらいで。身体貫通まで行かなかったから…。相当固いわよ。布みたいにはためくけど。」
なんかすっごい素材が出来てるー!




