28-冬SP9 常設のダンマス向けイベントって?
なんか話が白熱してきた時、カレーがにおってきた。コクヨウさんがいつの間にかいて…台所でなんか作ってる。
「家でよく作った…カレー鍋。
長谷川さんが言うには…。両親の思い出の味で…思い出召喚に”カレー寸胴(中身入り)”というのが入っていた。何のことかわからないので買ってみたところ…
「よく父さんが余った容器に入れて…うちの冷蔵庫に入れていた…カレーだったよ。カレーパンとか作るために作ったカレーって…お玉ですくうから少しだけ鍋の底に余るのよ。それで、それを業務用だし汁に入れて一人で簡単に作れるカレー鍋作って食べてたんだよ。」
「お持ちしました。」
僕たちの前に置かれたのは、少し辛目の匂いのする…
「一人で作って食べた…懐かしい味なんだ。」
なんかさみしいというか…僕からすれば…心が締め付けられるいわれだな…。
「家族と食べなかったの?」
「母さんが中学の時に教えてくれて…小学生の時は父さんが作ってくれたんだ。流石に毎食カレーライスだと飽きるからって。」
ナイス。お姉ちゃん。そしてみんなで何故か無言で手を合わせ、頂くことにした。確かにカレーライスとは違う液体の強いそれでいてスパイシーなカレーで何より煮てあるもののせいか…
「なんか、揚げ物も浮いてない?」
「ああ、本当に余った一部のフライとか…入れていたのよ、〆のうどんとかこれが入ってるとうまくてね。」
中身は白菜が多いが適当なフライが鍋に入っていたので、取り上げると…これはハムが外側のポテサラフライだ。カレーの味もあって、複雑な味わいが口に入る。甘い辛い、それだけじゃないコクの味。確かに旨いわ。
「コクヨウありがと、戻ってん。一緒に味わいましょ。」
「は。では母様。」
そういうとコクヨウはすっと姿を消した。確かに和風のおんぼろアパートにバリッとしたメイド服のメイド・・・違和感しか仕事しない。
「さて、続けるわよ。」
リューネさんの所にもう一つの地球を作ったわけ。それはハーリスがリューネに説明した時に二つあると言った。それが
「パラレル世界の再現ですね。ほんの少しの違和感って奴です。そしてもう一つは…現状起きていないダンジョンバトルに対して…てこ入れ策を入れるべきだと…言う判断になりました。」
「ダンジョンバトルへのテコ入れ。」
「はい、イベント開始直後に正式に”メール機能”の作成を行い…ダンジョンバトルは”バトルゲートの設置”という項目のみとなります。お互い同意なら…バトルゲートを開け…お互い指定の箇所にゲートを設置できるという者です。ただし開けている間中ずっとかなり高めの維持DPを消費します。」
「ダンジョンバトル廃止なんだ。」
「今のダンジョンバトルはもうやる人がほとんどいなくなりましたので…。」
今現在ダンジョンバトルはお互いほとんど行われていない。草原同盟も仕掛けてこないけど…それ以外にこちらの亜人同盟及び”会議”側はお互いダンジョンバトルを行わない。することによる憎悪の広がりの方を嫌がったからだ。
「イベントの方の参加率が高く…そちらでテコ入れを行うことを決定しました。」
「イベントで?」
「そう、”常設イベントエリア”をリューネさんに渡すことで…それで。」
「二つって言ったよね?」
「はい、通常のイベントはマスターのダンジョンで行います。ですがそれ以外にもうひとつ…作ることにしたのです。」
凄い事になってるな、イベント二つ同時❔参加する人がいるのか?
「常設化…僕が参加できるの?」
「これに…魔王軍に参加してもらうのは…イベント上無理があります。サポートに徹してもらう予定ですし…。」
「企画を聞いた時に…私達は無理と思ったのよ。」
「僕達が無理なイベント?」
「そして、ダンジョン業界を揺るがす…大いなる試練だと思うわ。」
「ダンジョンを?」
リューネさんもお姉ちゃんも…何か…そんな大きなことを考えているんだろうか?
「はっきり言えば…”異次元侵攻アプローチ”という事よ。」
全然意味わからん。何?それ?




