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はじめてのまおう~《勇者に俺ツエーさせるRPG》   作者: どたぬき(仮)
第4章 魔王による勇者プロデュース
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6-40 地味で目立たなくてオーラ0

「いたぞ!南!貴様ダンマスだそうだな!」

 会議場に歩いてきた南を勇者たちが取り囲む。その数10名。

「ダンマスと言えど元は異世界人だからねえ…。それを知って…来るのかい?」

「…雰囲気が違う?」

 確かに聖女”南”ではあるが、その眼は半笑いでしかも、口もにやけている。

「本気さ。だってお前たちは殺しに来たんだろ?私をさ…。」

「ダンマスは殺せば俺たちはヒーローになれるんだ、死んでもらう!」

「かかって来いよ。神に逆らう愚かさをここで悔いて死ね。」

「南ちゃん…。」

 その捜索隊に混ざっていたキラリはあり得ないものを見てる顔だった。

「ただ、慈悲はある。降伏するなら、聖王国での生活は約束しよう。どっちを選ぶ?」

 勇者たちは全員その様子に気おされている。

「聖女だか知らねえが!俺たちに勝てると思ってるのか?」

「逆に言うぞ。そんな勇者ごときが、本物の聖女に勝てるのか?その悪い気を抜いてやろう。ヒール!」

 そう言うと周囲に回復のオーラがマイ…全員何も起きなかった…そう思った。突っかかってきた勇者が、頭を抱えで倒れたのだ。

「なんだと!」

「言っただろ?悪い気を抜いただけさ。もう一回言う。降伏するか?」

「分かった。俺は降伏する。」

 その言葉にキラリ以外全員が両手を挙げ、敵意がないことを示す。そして、遅れて入ってきた兵士たちに縛られ勇者たちは縛られて連れられて行った。

「南ちゃん。どうして?」

「若いね…。」

「え?」

 そう言うと、黒い椅子をどこからともなく出して、それに座る。

「どうするよ?光の勇者様。」

「僕は…。」

「ヨミさん!」

 飛び込んできたのは…、”南”だった。

「早かったね。おかえり。」

「勝手にしないでください。私がやる覚悟はできてました!」

「南ちゃん…。」

「ならさ、出入り口行って、王様たちに観光案内してきたら?」

 そう言うと、イスに座った女性はヨミに代わっていた。

「あっちの方が問題だよ。ね、キラリ君。」

「南!」

「久しぶりね。」

 キラリは走って抱きつこうとするが…回避した。

「南ぃ。」

「さすがに抱きつく程度にはないので。それにしても女の子側にここまで磨きがかかるとか…。」

 そう、キラリの外見はもはやひらひらしたドレスアーマーを着た女の子そのものだった。

「でもどうしたのそれ?」

「うん、凄い複雑なんだけど。」

「うん。」

「ダンマスになっちゃった。」

「え?」

「だってイケメンに囲まれるんだよ、素敵じゃない!」

「えぇーーーー!」

 

「じゃ、じゃあ、ほんとにダンマスだったの?」

「うん、で各地にダンマスが虐待にあってで、どうしようもなくなったんだ。で、実際、もうギルドの制度も調べていくとどうしようもないってなってで、改定させるつもりだった。」

 説明が終わるころには普通の少女とも思えるくらい涙を溜め…。そして、南をじっと子犬のように見つめていた。

「じゃあ…。」

「本当ははすぐにキラリにも会いたかったし、実際3年ほどずっと来るの待ってたんだよ。」

「ごめん。」

「さて、積もる話は後だ、ギルマスと後王様は玄関でトレントに囲まれてる、がそんなに長く続かないぞ。」

「分かった。そっち行って決着付けてくる。」

 そう言うと南は走って去っていった。

「強いね…。女の子は。」

「そうか?あたいにはそうは思えないさ。かっこいいのは男も女の変わらねえ。さてちょっと…。」

「ふむ…。ボーイミーツガールにしてはかなりフラれたな、クックック。」

「”教授”。」

「まあ、見てて楽しかった。」

「隣の人は?」

 キラリは隣の人間を不思議そうに見つめていた。それを見たヨミと教授は顔を見合わせた。

「そうか、そういう感じか…。まあいいか、それなら、それなりの人間がいるでいいんじゃないか?」

「だよな…。だから言っただろ、気が付かなかったんだって、全員。だから調べれるわけない。あんたが異常なのさ。」

「ここまで露骨だと僕泣きそう。」

 その和気藹々とした話し合いにキラリは不思議そうに真ん中の人を見る。

「そういえば聞いてなかったのか、ナオが放逐された時、神様が”ちょっと本気で認識阻害をかけた”と言っていた事を。という事は、どこかで生きていたのさ、ずっと。」

「じゃあ、この人が?この地味で目立たなさそうで、オーラ0で、何しそうにない人畜無害が?」

 その言葉に真ん中の人は膝まづく。

「うん。へこんでいいかな?」

「感じないんだと思う、それにキラリ君自体は数日しか会ってないしな。」

「だけどさ、確かにそう演じて来たけどさ、そういう意味では嬉しいけどさ、言われるときついね。」

「ナオ…。」

「じゃあ、この人が…。」

「だよ。でも目立たない…。」

 泣いているナオを、金髪幼女が慰めている。

「目立つ方が人生損する気がするがね。クックック。」

「後、リューネ達がそろそろ来ますがどうします?」

 その金髪幼女の口調は硬かった。

「うん、稼いでおいて。向こうが終わってから、事が終わるまで待つとしよう、最後の仕上げをしてね。」

 そう言うと、少年は立ち上がると、すたすたと部屋を出て行ってしまった。

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