28-65 GGMスタンピピード 上が傍若無人であっても下がまともなら
その後、村長さんの所に行って交渉した結果。食料品の販売と、前の都市国家が浸かっていた店舗を使った雑貨店の許可ができた。向こうからしても農産物を購入する
のはありがたいらしい。こっちは契約でお互いの食料品補充には縛られないという確約を取った。
「後これ、鉱山都市の…モンスター区画で見つかった者ですが。銀貨を使った道具でして、食料が出るらしいので、これをも設置しますね。」
定番の菓子パンガチャとドリンクガチャを設置した。
「謎の箱?」
「はい、一日たつと中身が復活するので、いくらでもというわけではありませんが甘い食べ物が出るらしいのです。」
「…それが本当なら凄いな、ふむ、できれば置いておいて欲しい。」
「はい、。」
村長がそう言うと去っていった。まずはこの雑貨店をぞうきんで吹いて掃除しないと、生活魔法でクリーンをマーサさんと掛けて。杭を設置。我が牧場の敷地になった。そして早速ショップを設置。こっちの仕入れ商品を売れるように態勢を整えた。ただしこの街中店舗では”NPC店員”は使えない。どう見ても怪しいからだ。なので、エルマさんかマーサさんが店員としてここで働くことになる。そして、ここにエミル隊も一名常駐する事になった。こっちはモンスター狩りを含む…ではなく店員の社会勉強をさせる目的だ。なお時折交代する。
「お姉ちゃん。でもここ狭いね。」
「小規模だね。でもこれでもショップは展開できるから。で、ここで警備と店員お願いね。」
「うん!」
「何だここ!入れねぇじゃねえか!くそが!」
…だからと言ってドアを蹴るな。杭の内部は人間しか入れない。これは分かっている。モンスター相手には防衛と”耐久力”の消費が行われ契約なしには入れない事になっている。だからこいつはモンスターなんだが…。
「何の用でしょうか?」
もはや村長が出て言った建物を蹴るとか。最悪過ぎるだろ。
「…お前ら。食料があるんだろ?村長からの価格は高すぎるからな。だから俺様に貢げ。そうすれば襲うのはやめてやる。」
「村の真ん中で略奪宣言ですか?」
流石に村人も武器を構え、リーゼントを睨む。当然だろ。
「…お前らが頷けばいいんだよ。」
「お断りします。買ってくれた村長に不義理です。」
私はリーゼントを睨む。どう見てもチンピラなんだがこいつ。いきなりタダで寄こせとか、普通の盗賊でも言わんぞ。そんな事。
「…仕方ねえな。やめてやる。んで。このガチャなんだ?」
「…これですか、鉱山の奥から発見された箱で、食べ物が出るそうです。銀貨を入れる必要がありますが。」
「これでもいいのか?」
懐から出したのは少し小ぶりな銀貨だった。
「やってみては?」
冷たくあしらうが…チンピラがコインを入れると、…ガチャが回った。そしてカプセルから出てくるのは…菓子パンだった。
「おおー!これはすげぇな。…冷めた、帰るわ。」
周囲の目線は氷点下を超える冷たさだ。その中で視線を無視してガチャ回せるとか、すげえぞこいつ。




