28-44 GGMスタンピード 自治は時として憎まれごとを代理で行う。
事務所に戻るとガルさんと、難民側の代表が来ていた。
「すまないな、君の姉さんがこんな事になって。」
「それは言わない事。私も怒れている。」
「すまない。」
「で、遥から提案がある。遥のスキルの検証には…戦闘系であることも含め。検証が足りない。そこで…数人を買う、後いままで死んだ人間の死体は全てこっちで引き取る。」
これは…帰りに歩いているときにコアに提案されたので交渉してみた。
「埋葬してくれるのか?有り難い。」
「後犯罪者に関する決まりごとは考える。が今は…傭兵から自治会を作って見回りして欲しい。苔人がこっちに来ないとも限らない。」
「自治会?」
「住民にやらせるんだ、暇でしょ?後そろそろ従業員の第2募集を掛ける。」
どうも自治会という概念さえなかったらしい。
「そうだな、こんな事があって追い出されないかと不安が出てきたようだ。確かに仕事をしていれば追い出されにくいという事なら喜んでしてくれるだろう。」
「後、そろそろ食料に不満も出てくるから…管理する人が欲しい。」
ガルさんの意見に疑問が出てくる。
「今までは落ち着いていなかったからおとなしかったが、大方そろそろ腕力で食事を奪うとか。治安が荒れてくるはずだ。そう言えば女の子たちはどうだ?」
代表の意見に…ああ、代表の名前を書いていないのは、覚えられないのと、名前のない男性とかが…難民には多くて、名前さえない人が多かった。生まれた頃から奴隷の上にこの地に捨てられたという人が多いからだ、この代表もその一人だ。その…女の子を気遣う感じは素敵だが…。
「むしろ待遇はそっちよりよっぽどいいぞ。俺でも数人同じ待遇を頼んだぐらいだからな。」
「どういう事だ?」
「3食の食事付き、学習もさせてくれて、金も貰える。」
「はあ!?」
ガルさんの意見に代表さんが驚いていた。
「従業員として最低限度の能力が欲しいんだそうだ。その為には訓練して後で狩りとかしてもらう予定だ。遠く離れた森林にな。明日からだな。」
「…正気か?」
「まあな、あんたらの分を稼ぎに行ってもらうんだ。文句言うなよ。」
流石に私は怒りを含みながら答えた。お前らは稼いで…いないわけでもないか…DPという利益はもらっているんだから。




