28-26 GGMスタンピード モンスターの支配する土地の真横に私達のキャンプがある。
マーサを従業員登録し、どうにか態勢を整えた三日目になると、なぜか都市国家から10代以上の馬車がやってきた。
「…かなりヤバい事になっていた。君たち…助かったな。」
やってきた商人たちがキャンプ場にテントを張り、事情を説明してくれた。都市が苔人…いや小鬼と呼んでいた。日の下に出てきた緑色の小人たちは緑以外その要素が無かったからだ。それが鉱山から溢れ出て、そして鉱山と行政府を支配し、人々を襲い始めた、最初の数日は何とか抵抗できたが、数が圧倒的に多いゴブリンたちは町の各所を占拠、その辺にある物を適当的に投げて攻撃を開始した。防具もない市民たちは逃げまどい、…逃げ出し、都市国家の門を閉じた。そして逃げ出した人たちで外に宿泊しているところに商人さんたちが来たのだという。そこで商人さんが俺達の事を教えると、そこまで逃げることにしたのだという、周囲は荒野だから食料もない状態だった。10代以上の馬車は…切り技ロ町から運び出せたものだらけだという。そしてゴブリンたちに占拠された街から何故かゴブリンたちが出てくることはなかった。そして、商人さんはこのまま数往復して、難民たちをこっちに連れてくるという。逃げるにしても…食料と水が無ければどうにもならないからだ。
「そんな事に…行政府の人はいましたか?」
「…いや、突然の事で、行政府の建物からも小鬼が溢れてきたという話だから。大方…。」
予想ができる、どう猛な2足歩行の獣であるゴブリンが行政府の建物にいて何もしないわけではない。
「でもどうします?」
「それが、困るんだよな。いろんな意味で。」
どうもあの都市国家はこの周辺一帯の銀鉱山の一大産地であり、ここの銀を基に”銀貨”を作っているのだ。…話を聞いて背筋がぞっとした。倉庫の銀鉱山は通貨用鉱山だったのだ。というかそんなこと誰も思いつかんぞ!行政府というのも元はここで銀の採掘をしている商人の一派であり、商会だったというが…ここの銀貨が無いと国で通貨が無くなる。通貨が無くなると、ガチャに使う銀貨もなくなる。危機感が現れてきた。これ、思ったよりも致命傷だ。早く奪還したいが…問題は、難民となると金払いが悪いって事で…牧場関連は全部金を要求する”コスト”がある。しかも貨幣を作る箇所そのものが潰れているため、収益として”銀貨”の獲得にはならない。お金のない客しかいないのだ。
「出来れば、ここに数人いや、数十人は置いて欲しいのだが…」
「無理に近いですね、食料は隣の村に、今も従業員の人鳥に買いに行かせてます。…水場もありますが…無限ではありません。」
「確かに…そうだな。すまない。でもこの人数の5倍はいるんだ。あの…鬼どもの傍から逃げたくて、抑えたとしてもいずれ…こっちに皆来る。…飢えた連中はきっと…襲うだろう。」
「言いたいことは分かります。ただ、ない物はないですね。あれば歓待もしたいですが…。」
連中の言いたいことは、難民受け入れの要請だ。この世界では地味に…人足の思考が強いが…多すぎるんだ。いきなり大都市になっても困る。
「水だけでも頼む。」
「それは構いません。が、…その人たちがここを出るまで、いてくれませんか?費用はそっちが後でっ出していただければいいので。」
「信用するというのかい?」
「人を助けようとしているあなた方を…信用しないわけにはいかないでしょう。」
ちょっと感動的にどや顔て行ってみるが…向こうはピンと来てないらしい。
「…まあ、確かに金は払える奴が払うって事だな。」
「ですね。但し、まあ取引していただければいいので。」
「でもこれからどうするんだ?私もしばらく滞在した後は、本国に帰らないといけないんだ。」
「その辺は…仕入れを頼むとかですね。銀貨を渡すので。」
「そう言う事か。」
「はい。」
そう、頼み事とかするから、食料は支援するよって事である。今の…この周辺は銀貨の枚数さえ制限されている。ならガチャも適応できないし、この状況は各地に伝わる。緊縮するだろう。
「ただ、故郷を助ける人は現れるんですか?」
「むむ、それは難しいんだ。ほぼこのまま放置せざる負えないと思う。」
行商人の語った、この周辺国家の事態は、予想を超えて悪いことが判明した。こんな事予想できるはずがない。




