28-22 GGMスタンピード ゴブリンの本当の怖さは?
その頃、第2次鉱山奪還部隊が、領主と共に鉱山に侵攻を開始してきた。だがこの時までゴブリンは…強者という話もなく、盾を構え前進すればいいと気合を入れて奪還を行おうとしていた。だが知らなかった。本当のゴブリンの強さは”数がいる事”以外にも”道具が使える程度の知性”にあるという事に。盾を構える進む。と、一体の苔人を見つけた兵士たちは槍を構え、ファランクスの体形を取る。
「前に進め!」
盾を構えた兵団はその掛け声で苔人一帯を串刺しにした。その絶叫は汚らしくそして洞窟の奥にまで響いた、だが…その死体を見せようとした瞬間、その死体は紫の霧に包まれ霧散した。
「な!なに!」
その様子に兵士たちに動揺が走る。
「どうしますか?」
流石にこれは、見たこともない状態で全員が浮足立った。
「…死体が無ければ民に見せれないではないか!仕方ない進め、行内の安全を確保するんだ!隊列崩すな。」
兵士たちは盾の構えを解き、歩き始める。謎の地下生物である苔人を倒さない限り採掘を確保できないために商人も市民も逃げ出していた。これは商売に関わる。だからこそ確保しないと…。
「明かりをともせ!」
そう言いながら前進する。
「あの苔人、まるで孤児みたく小さかったですね、あれなら…大丈夫でしょうか?」
「だな。」
そう無駄口をたたいた瞬間。何かに弾き飛ばされその男が…倒れていった。その言葉に警戒し
「た、盾!」
領主が言う間もなく、坑道の奥から無数の石や岩が飛んでくる。ここは鉱山であり、当然石が転がっていた。その石を全員で投げてきたのだ。
「か!構えぇ!」
大将が声を上げようとすると、声にならない悲鳴を上げる。ゴブリンの一体が部隊の間に潜りこみ足に噛みつく。この頃は布さえ貴重品で体の大部分を覆う布は売られてさえない。鉄板を体に付けただけの兵士では…足元を狙ってかぶりつくゴブリンの噛みつき攻撃を抑える手段はなかった。上は石が投石され。下はもぐりこんだゴブリンたちに噛みつかれ、崩れ落ちる。そして崩れたのを見るや否やまるで緑の津波と言っていいゴブリンたちが兵士たちに飛びつき…そして飢えた彼らは、数少ない餌にかぶりつく。
「ま、待て。」
と声も出す間もなく、後列の数名が逃げ出しそして領主の背中に重みが走る。それもどんどん重くなる。振り返ると緑色のゴブリンの顔がそこにあった。そして、あぶれたゴブリンたちは餌を求め…外に雪崩を打って放出された。こうして、世界で初めてのモンスタースタンピードが発生するのだった。それは瞬く間に、鉱山に隣接した行政府区画に及んだ。最初は数匹が横切るだけで衛兵は驚くだけだった…がその数が多くなるにつれ、そして鼻が曲がりそうな異臭が彼らの手を止めさせる、そして10数匹のゴブリンが衛兵に取り付き、覆っていく。そして…ゴブリンは食事にありつくのだ。この段階の時には…スポナーから出てきたモンスターが空腹である可能性は語られておらず、そして放流されただけのゴブリンは道具や奇襲の考え謎なく…匂いのするところや生き物を見つけると。それが何であれ噛みつき、その血でのどを潤す。それは狂気の宴であった。




