28-19 GGMスタンピード 結局私は相手に選択肢を与えて手番を渡す。
頭脳労働すると菓子パンの甘み美味い。一応、ダンジョンの位置の位置を説明する。ダンジョンの一部まで領域を取得していて、ダンジョンの上部分を通して鉱山の上の部分の採掘跡を利用して出入口を確保、出入りは上部の廃坑からこっそりとだ。メインは下の現在採掘しているエリアに直通の銀鉱山エリアだ。埋蔵量もかなり多いらしく、銀は大量に手に入った。が銀を変換するにもショップで売るとも考えたが…実はギルドが怖い。他のダンマスの多くが、勇者のいる場所で初心者狩りをされており、現在遥でさえ最古参。となると今後に強いダンマスが出るとは考えにくい。
『大丈夫ですか?』
「悩むときは一緒だ。頭に糖分が足りない。ただ、考え過ぎると太るんだよね。」
…やせようと思ったけど頭脳的に無理だ。後は返答待ちだ。
「後は向こうだ。」
ただ、人間がいて、それが行動をしたり、作業をすると出てくるDPを回収してダンジョン利益にするというのがダンジョンだ。殺すと大きいがそれ以外に人間が逃げ帰っても収益を得られる。それが大きい。
『ひとつお聞きしてよろしいでしょうか、相手が諦めるという選択肢はないでしょうか?』
「あの銀は大量に売られていた。地図の策定した周囲次第では国家の発行する通貨として大量に銀が存在した可能性がある、だから、いずれ大量に欲しがる人間が現れる。が、数回は…戦闘で保持しないと基礎DPも入らないので‥。」
『人間を殺すのに忌避がないんですね。』
「ある。が…変な感覚もある。あの都市の様子や不味そうなスープ。通った人に…地元っぽい人がほとんどいなかったんだ。いてもスラムにいるだけ。となると…本当に幸せなのかって思う。かたや私のいたモートリアはもっと発展して、みんな尊重して、それなりに発展していた。それから比べればここはあらゆるものが足りないんだ。できれば行商隊などを使って各地の偵察や…他のダンマスがいるかどうか。その他含めた調査をしたい。データが足りなすぎる。」
バイヤーにおいて必須なのは情報だ。何がどこにあり、それがどれくらいのもので、”どこに売れるのか”だ。必要のない物は売れない。これが根本にある。だからこそ、情報が足りない、今は運よくスタートダッシュしてるだけ。そう思っている。なら!そのスタートダッシュを生かす。
『マスターから返答が来ました。2番をメインに組み立てるべきだということで、よろしいですか。』
2番の作戦はダンジョン領域が”人間に許可されるか”誰も所有を主張しない土地に限り取得可能”という規約を最大限利用したもので、一度この都市国家から人を追い払い。特に商人区や行政区を支配し、その後に”開放して”人を入れさせることを目的とした作戦だ。そして何よりこのマッチポンプは遥を”傭兵部隊”として人間にコネ付きで売り込めるという事になる。…私達は今は浮浪者みたいなもので、立場が安定しない、まだ戸籍とかの考えがなく、そう言う意味ではもーとりやのギルド社会より漬け込みやすい、そこを利用する。という物だ。まあ仕様上は人を一度追い払うのが正義だろう。
『では量産を開始します。でも追い払うのは成功するでしょうか。』
「…このままだと難しいな。銀は武器防具には難しいんだ。」
エルフも基本人間と姿かたちも変わらない、魔法が使える利点もあるが樹魔法の他に水魔法が使えるが、精算時はレベル1のみなので、難しい。ゴブリンもダンジョンモンスターに限りはトラップモンスターだ。というのもゴブリンは数的有利で10体いて人間一人と安全に戦えるという感じの特性だ。にもかかわらずダンジョンの人数上限は50人だ。これは特性を消すことになる。がこれが難しい。
『となると…。』
「スポナーを作って量産するのは…エルフとかになるが、高くなる。」
中立(指示に従わない)が50倍…エルフの基本が2000DPなので20万Dp。友好的であるが100倍で40万DPだ。魔法とかおまけをつければもっと高くなる。
『そこが問題ですね。数押しができない。』
そう、そこでスポナーを作っても、2000DPで生産するのは変わらない。量産できる機会を作るだけで、この上に生産コストもかかる。
『ゴブリンはスポナー向きだが制御が効かない。』
ゴブリンが基本10DPなので500DPでスポナーが作れる。安いが職業とかいろいろつけると高くなる。意外とセンスが問われるのだ。ゴブリンの値段は安いがそれだけでどうにかできるわけではない。
むしろやられ役。装備迄付けたらDPはかさむ。だからこそ悩むんだ。
「エミル。帰りますよ。ショップまで送ります。」
「エルマ。」
エルフの女性が来ると、きりっとした目だ。
「しばらく、作戦があるそうで、付いていけませんが、あなたはショップで待機してください。」
結構すぐにやるらしい、この町から人間を追い払うって事だ。
「いや、現場行く。これが必須。」




