6-33 呼べば奴が来る。
「改めて俺はナッツ。今はここで…。」
「地下室の関係者です。私が聖女でダンマスの”南”で、この…妙にこっちも乱暴そうなのが”シャラ”ですわ。」
「よろしくな。という事は認識阻害の条件は。」
「大方僕が仕事が終わるか、”魔王軍関係者でない事”が条件っぽい。で、解けた。」
「どういうことだ?」
元に戻ったようだが、ヨミの横をすっと取る、ナッツ。あんた…。
「二人には最後の説明するべきでしょうね。ナオは、元…。「元でいい。」元魔王軍ダンジョンマスター。」
その言葉に二人はナオを見つめる。
「そして、今の魔王システム開発者。称号見るとちらっと”真なる魔王”まであります。そういう人です。」
「ただ、神様に魔王軍を追い出されたのさ。」
「魔王が、魔王軍追い出されるのかよ、」
「そう、それが聞きたかったんだ!何があったんだ?」
ヨミも食いつくようにこちらを見つめる、その顔はみんな一緒のようだった。
「僕は魔王軍結成三日後に神様が来て”魔界の没収。及び、魔王軍のサブマスターを全員独立させる。また、その子たちの試練の為に僕は魔王軍から独立”と言われて、魔王城の名を失った。」
「そう言われてみれば”魔王軍”はあったのに、肝心の”魔王城”はありませんでした。」
「違うの?」
「はい。元々中心は”魔王城”でそれをもとに結成されたのが”魔王軍”です。魔王城というダンジョンの主がナオなんです。ついでに魔王はその配下の持ち回りというか、エレノアさんというか。」
「そう、今はエレノアの奴が引きこもったので、あたい達の持ち回りってなってる。」
「エレノアが?」
それ意外だった。
「ああ、大方一緒のタイミングだと思う、名前がなくなって、ハーリスの反応がなくなるとうちらは全員大混乱した。そこに神様が現れて、『新しい仕事がある。』と言って、ナオをどっかにやったと言ったのさ。で、それを聞いたエレノアは寝込んで、そのまま…3年経つな。これは魔王城全員が同じ感覚で。全員死ぬ気でナオを探していた。」
「やっぱり。」
「であたいは情報だから、いろいろ、仕事の合間ぬって調査してたのさ。で、怪しかったのが”地下室”だった。で、ずっと探してたんだけど見つからなくて、で先日会って…。」
「という事か…。」
納得した、だからあんな反応だったんだ。
「とんだ雑貨屋だな。俺も運がいいというか…。」
ナッツが呆れた顔で、たばこを取り出すと、火をつける。
「ん?」
「エクトネーゼでずっと雑貨屋してたんだよ、ギルドにもほぼ毎日行ってた。仕入れでね。」
「え?」
意外だったようにヨミはこっちを見る。
「認識阻害でさ。ギルマスと話しててさえ、まったく思い出さなかったからだから、無理だなって思った。普通だと。でそのまま普通に生活してた。」
「あの辺私結構通ったぞ。しかも、本店あるから…。」
「本店?」
「ああ、ギルドの物販”エルフの里”の本店というか一号店だな。それがエクトネーゼにある。で、値もその辺結構歩いたんだよ、ギルドもよく言ったし。」
「さすが、神様の認識阻害。つうか、そんなにそばにいて気が付かないのか…。」
さすがにこれはショックか。僕も最初これに気が付いたときにショックだった。
「あの店そんなことになってたんだな…。」
「すげえな…ここまで来ると。自分の店とかでも気が付いてもらえないのか?って言うかギルドって?説明は聞いてたけどよ?」
「今はヨミのほうを聞きたい。何があった?だとしても追い出されるのはおかしくないか?」
「実は、ナオと会った後。説得に行ったんだ。けど、無視された。で、イラっと来ちまってね。方針に変更なし、別の大陸なんてあるわけないで一蹴。」
その言葉に全員、苦い笑みを浮かべた。
「で、やめると言ってでも説得するつもりが失敗ってわけだ。あたいもやきが回ったもんだ。」
「あんた…。」
「済まねえ、ナオ、あんたの期待には沿えなかった。ただ、情報は流した。だから連中が収まってくれれば。」
ヨミは頭を下げる。
「仕方ないよ、元々、そこまでこれに期待してなかった。が、これだと戦争回避は難しいかもしれないし、敵対的とみてると思っていい。」
「だろうね、ほら…。」
そう言うと、ヨミは金色のカードを取り出して、ホログラムを見せる、これも搭載した機能の一つだ。その画面には『スタンピード注意、エルシュウッドに集合』
「ハーリス。」
「はい、ヨミがこっちに来たことは確認してたようですね…それ以外は阻止しておきました。後、現在位置システムは私を通さないといけないので、今はギルドで機能してませんよ。」
その言葉に全員が肩をなでおろしたが…。
「でもこれだと決定的ですね、一度戦争しないと…てなりそうです。私も魔王軍に加えて欲しかっただけにこうなるとは…。」
「え?」
ヨミも意外そうな顔だった。
「南ちゃんは、魔王軍からスカウト来るまで、ずっと一人で頑張ってきたんだって。だけど誰も来ないから僕が来てッてなった。」
「すまねえ、本当にすまねえ。」
ヨミはまたも頭を下げる。その様子にナッツも落ち着かせようとしてる。
「いえ、いえ、もういいんですよ。そんな事態になってるなら当然ですから。」
「ありがてえ…。」
「でもさ、なんで、それがダンマス絶滅になるんだ?」
「ああ…うん…それがさ、全員がナオのいる場所予測してばらばらだったんだよ。ケイが魔界で、リューネが新規ダンマス。でネルが冒険者だったで、全員ばらばらになって。で、あたしがもうダンマスにいるんじゃないかって奴。で探すために必死だった特にリューネはその辺一帯のインスタンスダンジョン根こそぎだったらしい。で勇者も、ほぼ…。唯一、ケイが担当した”三日月”だっけ?連中だけが生き残ったのさ…あたしが担当の時もあったけど…どうもってなって、それで、基準の厳格化の話が出た。流石に手加減にしてもこっちが戸惑うほどの差だときつくないか?」
「それさ、幹部がモンスターをDPで配置して置いたら?それでいい気がする。わざわざ相手する必要もないよ。衣装だけ何とかしたスキルオーブ与えたハイエルフでもいいし、その辺はシーアの初心者ダンジョンでもあったじゃん。」
なんかさらっと結論が出て、唖然となった空気って奴が流れる。
「それでいいのかよ!」
「それでもいいんだよ!」
ヨミの絶叫もわかる。だって、魔王の部屋にいた奴が魔王になるなら、これでもいい。
「何となくリューネの言っていたのが分かった気がするわ。空回るってこういうこと言うんだな…。」
「なんかさ、後で挑むんだろ。俺達。」
「ああ、すんごい手加減言われてる気がしてきた。し、裏側ひでえな。」
「ただし…あんたらだと、あたしが本気でもやばい、だから、エレノア担当だと思う。」
「そうなのか?」
ナッツがい外装に自分の体を見る。
「大方、ナオが手をかけたからだと思う。普通の勇者程度だと、あしらうくらいだぞ。それ。ただし”教授”には無理。」
「ん?」
「教授?なんだそりゃ。」
「僕が知る限り、最大の規格外それが”教授”。S級勇者。唯一全部理解して突っ込んでくる。で、全部ひとりで倒せる。そういう規格外勇者。」
「クックック、その評価、お褒めにあずかるな…。少年。」
やっぱり来た…。名前を呼べば来るんじゃなかろうか…。ヨミも気が付いていなければ、ハーリスも気が付いていなかった。
「出入り口が、空いていたのでね。」
「先生!」
南が立ち上がり、教授に一礼する。
「久しいな、南君。そして、皆さん、こんにちは。」




