28-8 GGMスタンピード 綺麗な建物を見ると蹴りたくなる…のは民度の差か?
次の日になると、突然出現した家と、その家の前にある謎の箱の話題で、町は騒然となった。そしてその箱に金貨を入れて欲しいと書かれているのを見ると町の人間は不思議がった。
「なんだこれ?」
「こんな家…いやこの箱は何だ?もって行けるか?」
「いや、動かないし、壊せない。町一番の力持ちのモーゲさんもダメだったって。で、」
「どけどけ!オーレス様のお通りだ!」
町の喧騒は更にヒートアップし、金貨を要求する箱の噂は町全体に広がった。ただ、私はその建物の2階から…顔も出せないから聞いてるだけだ。結構騒がしいんだ。
「ホッホッホ、これが、何ですか、このピカピカの箱は!答えろ!」
いきなりなんか無能発言みたいな位スタートで大声のおっさんの声が聞こえてくる。そして大騒ぎの声が聞こえてくるが、どうも偉い人らしい。そして建物に叩く人がたくさん現れる、しかもどうも木や鉄器の音も聞こえるが…何も起きない…。
「ふむ…。これだけ壊れないとか…帰るぞ!こんなものいらん!」
…モートリアでさえ子供がまあ。叩くことがあっても全員でまずは建物を壊そうとするとかない。そう考えると民度はこっちの方が低いみたいだ。
「大丈夫ですか?」
「軽く絶望してる。まさかガチャ殴って帰るだけとか、これ本当に商売できるのか?」
エルマも顔が苦い。分かる、攻撃されているからだ。
「これ、こっちはギリギリ生きていけるけど、ダンマス待ちかもしれん、遥さんだよりなのがつらい。」
「…私達は待つしかないですね。」
「だな。」
騒ぎはさらに発展し、昼間は人がいない日がないぐらい…事務所の周りには人が集まっていた。夜は出かけられるが…夜は全部の家が閉まっていて、月夜が明るい時でないと出かけられないくらい暗い。光が一切ないのだ。ついでに今は曇りの為に、暗闇の夜過ぎて。出るのもできない。その中でエルマさんと
「どうする?このままじゃガチャや、牧場じゃ一切稼げないよ。」
「と言われましても、私もこうなっては人間を虐殺してでも強行突破しか思いつきません。」
そう、エルルとか違いダンジョンから出てきたエルマさんは基本物騒なのだ。
「それはやめてほしい。お客さんが減ればマスターの意思に反するよ。攻めてダンジョンの中で殺そう。」
「ぐぬぬ。確かに。」
と言っても私は殺傷反対である。が
『爺、これが噂の…金かを要求する箱かね。』
ただ、余りに静かな夜なので、周りの尾とは簡単に聞こえてくる。
『はい。』
ちらっと窓を見ると淡い光が漏れる。夜に動く人は珍しいから、凄い驚いている。
『確かにだけど謎の道具、猫車?ピッケル?訳が分からないよ。』
『はい。ですが、金貨一枚を要求する箱…騙されたと思ってくれてやりますか?』
『僕は何かあると思うんだよね。この書き込みによると、金貨を入れたら何か出るんだろ?』
その時に思い出した内容がある。パチ屋のドキュメンタリーを見た時の話だ。パチンコ屋の店主が開店日にお客に弾が出るというイメージを持ってほしいがために、お客に玉が出ることを祈るシーンだ。初めての1000円ガチャのお客さんだ。出て欲しい。
『分かりませんな。ただこの箱は頑丈ですな。それに光って綺麗でございます。』
『この箱だけでも金貨1000枚の価値はあるだろうに、それを放置して稼ぐ金貨一枚。どこの手の物だと思う?』
『私めには思いつきませぬ。』
『だから、僕は入れてみるよ。面白いじゃないか、こんなあほらしい事。』
『レオン様。』
僕はまるで神に祈るように祈る。頼む!いいもの出てくれ!
ガチョン。ガ、ガタガタ。ガコン
かなり軽い音だ。
『ふむ。何か出て来たね。箱?箱に書いてあるね。箱の中身の紙を取り出せば、元の大きさに戻り、箱は消滅する。ふむ。なんか消滅の意味するところが分からないけど、やってみよう。』
『な!面妖な!』
どうも箱を開けたらしい。
『これは、面白いね。確かに…すごい事が起きてる。惜しいのは箱を開けるまで何が出るのかわからない事だけど、この布見てごらん、凄い伸びるよ。それに…なんか綺麗だよね。これ。面白くない?』
『ふむ・・・確かに…。確かに。』
どうも、Tシャツが出たみたいだ、そこそこの当たりだ!よし!
『どうしますか?』
『金貨がないんだ、あきらめて帰るけど、これ、売ってこよう。ん?まだ10個出てる?地面に落ちている箱拾って。という事は、これあの布が10個出る箱って事?急いで帰るよ。これもしかして。』
『は。坊ちゃま。』
そう言うと、青年らしい声の人は帰っていった。が、なんかすごい人もいた物だ。あ、これで金貨ゲットだぜ。ただし、これはもっと不味い事にもなった。そう、この金貨を使わないとこのガチャ・・・
回してもらえないかもしれないのだ。




