28-2 GGMスタンピード スラム街に事務所を作ると目立たない?
祝1500話突破いたしました。皆様ご支援のほど感謝いたします。ここまで来ると大長編が狙え…るかな?
このイリュージンはスラムが固まったそれこそ増築に増築を重ねた都市だ。人々が勝手に建物を建てていて、混沌という言葉が生易しい。その為どこのだれがどこに住んても文句は言わない。但し、自衛は自分の手でだ。ここは特に食料は商店で買う以外は奪い合い。その為に郊外の村々は略奪にあい…存在しなくなった。そしてこの都市に食料と交換で鉱物を手にするべく、奴隷もあり、闇組織というより、鉱山もある、ただし鉱山は首長が抑えており、そこには首長発行の手形無しでは入れない。それ以外は自由だ、住むのにも空き家を見つけて勝手に住んでいい。というのもここで鉱山夫をやる者の寿命の短さもあり、その上死体は地下に捨てるだけ、その空き家なんて誰が住んでいるかもわからない。その為にどこに住んでも文句は言わない。但し、綺麗な建物の多くは”実力者”が住んでいる、ある商会のトップとか、傭兵団のリーダーとかだ。そこに住もうとすれば死ぬ、空き家を探すなら、ぼろいバラック小屋をたどって人がいなければOKだという。
「思ったよりひどいね…。」
「後、不文律で畑は襲うなよ。」
「どういう意味?」
「ここの連中は飯に飢えている、野菜とかもだ。この壁の中の畑は大抵”商会”が抑えてる、襲ったら…お前は死ぬぞ。水は井戸・・・と言ってもスラムの井戸は不味い水だがな。それならいくら汲んでも文句は言わねえ。ただし…命は只じゃねえってこった。覚えておくといい。」
なんかすごいヤバいな。
「ありがとよ。」
そう言うと十六夜さんは手をあげ…私も急いでついていく、
「でもいいんですか?」
「まずはあんた含め、住む場所だ。そこで…あんたの能力を使う。」
「…だね。」
そう…こここそ…私の能力が生きる場所だ。そう思う。
私たちはスラム街…の歩きにくいおんぼろの木の板の建物群を超え…どうにか、うん、これ住める場所じゃないわ。
「これは…ここしかないか・・。」
そう、そこは屋根が半分剥げて。どう見ても人が住める家ではない。だが、建築だけなら簡単だ。杭で周囲を囲み、そして、それを資材として回収し、事務所を建てる、
「…すごいね。」
ただ、エルマさん含めモンスターは入れないらしい。ので建物内に入り…資材を持ってきた。
「ま、分かる、手伝え。」
と言っても簡単に手伝いだ。木の板を境界線ギリギリの壁に立てかけ、屋根板も張る。そうして出来たのが…2畳のダンジョンだ。ダンジョンは最低面積である
コアルームと階段一つさえあればダンジョンとして機能する。だそうだ。2畳の部屋の内部に階段が出来ていて、その階段を降りると、私も初めて見るダンジョンマスターの…いや、土壁だ。この部屋には何もない。
「入って。」
私が入ると、いや地面だけだ。どっちかというと地下室って感じだ。
「改めて…というか、これからパートナーになるんだ。挨拶する。」
「は。」
ダンジョン内部にはいつのまにかエルマちゃんもいる、
「私はダンジョンマスターになったばっかりに新人で、色んなことがあってここに流れてきたんだ。まあ、一週間でこうなるとは思わんかった。十六夜遥という。」
「私はエミル、後は大内って名前がある、が、どうもこの体と、俺と…二人で一つなんだ。エミルも異世界人、そして、俺も異世界人だ。」
「へぇ…。」
「でだ、ダンジョンマスターというか、ナオというか運営からお詫びの品を大量に受け取った。あんたにも分ける。その為にだ。」
「…どういう事?」
「私が昼に会議した時には…ナオは元々あんたの所の従業員でのほほん生きるつもりだったらしい。が、今回の件で安全でない事。そして”運営として仕事する必要がある。という話から。そのギリギリまで支援してくれることになった、ただしやり過ぎると、神様によるぶり返しや天罰がありうるので、ほどほどにして…で、泣く泣く離れるだそうだ。」
「ナオ君…。」
ナオ君…私の為に危険を結構犯す…らしい。本当に申し訳ない。
「んで、その代わり、ここから一年はこっちのダンジョンとしての運営実績は隠しごと無しで運営に売られる。そして…その間にこの都市を掌握すること。が条件だ。」
「…都市の掌握ですか。」
「ああ、ダンジョンを作って、そのダンジョンが話題の中心になっていればいいそうだが、その程度までは…活躍する必要があるんだと。でないと、ダンジョン全てを売却してもらう…だそうだ。」
「なんか、きついですね。」
「まあな…ただ、これでも簡単すぎるから。というのと、原資を貰った。」
「何です?」
「まず…あんたに渡すのは、”シティエルフとエルフ、ダークエルフ”の死体だ。」
「E!?」
したい?何言ってるんだ?
「…よく聞け、これもナオの意見だ。ダンジョンマスターにとってエルフは”モンスター”なんだ。」
「え?EE??」
ちょっと待てそれ。
「んで、元々あのまま何もないならエルフと交渉して死体をもらってきて…買取カウンターに突っ込めばエルフガチャができる公算がある…という話だった。」
ちょっとキモい通り越しては聴けするが…。
「で、後、スキルオーブも10個ぐらい貰って来た。後は私が…あんたに倒されたモンスターを買い取ってもらえ…との事だった。」
「なんで…。」
「モンスターガチャの実験だ。これが成功すれば偽装してギルドからモンスターの死体を買い、パンドラモンスターにできる。それは非常に大きな力になる。」
…泣きそう。
「そして、もう一つ・・・これも私がショックなんだが…伝えて欲しいのが、スキルの上限の話だ。」
「なに?」
「スキルは今のところ発覚しているのは成長に限界があるって事。レベルアップでは3まで。そして、スキルオーブでの限界が3.SPによる限界が3の合わせて9だ。」
「9。」
「そして、SPは職業の10レベルにつき一ポイントだ。今のあんたは3ポイントある、だからガチャと牧場、どっちに割り振るのか、又はSPのほかの使い方にするのか考えて欲しい…との事だ。」
「…ほかの?」
「スキルポイントの使い方は3つある、一つは既存のスキルのレベルを上限無視でレベル上限でアップできる。それか名前を知っているスキル一つを習得できる。というものだ。三つめは体外に出して、他人に渡せる、金に替えれるって奴だ。」
「10レベルに一回…。」
「ただし、10LV事なうえに、初級職業で10が限界、中級も10から30の3個の4つだ。スキル名を宣言して覚えることができる、ただ、ピンチになって無意識で使うってパターンが多く、能動的に使える場合は少ないそうだ。だから、ポイントがあるうちに割り振りを考えたほうがいいそうだ。」
「何か…。」
「後すまないが…どうもガチャ召喚のスキルは一つ数百万DPとか言う超高額スキルだから、よっぽど儲からないとスキルオーブとしては…提供できない。」
「…え?」
「今、コアに頼んで、鉱山までの道のりを領域化してもらってるけど。一日0.5DPぐらいだそうだ。ダンジョンを作るためのDPも欲しいから。今は余分な出費ができない。」
…もうガチャ召喚も…パンドラが少し成長するかもしれない…それで終わりって事か…。スキルポイントが三つ、
「私も一ポイントあるから悩んでるけど、取得にも当然制限がある。他人から聞いたことのあるスキルでないとダメ。そして前提条件は覆せない。例えば勇者専用とかそう言うのはだめ。鑑定・・・か?って思ってる、この際。偽装はあるからな。」
「偽装があるとどうなるの?」
「偽装をダンジョンに食わせることで、ダンジョンコアにこのダンジョンが鑑定されなくなったんだ。又施設の一部の外見を変更できるようになったんだ。それで…この入り口を見えなくしてある、でないと危なくてな。」
確かに女の子二人…では怖いよね。
「ま、人間が来たら喰うけどな。」
「え?」
「え、ああ、言うの忘れてた。私バンパイアなんだ。」
あ、バンパイア。
「でも昼間に普通に動けていましたよね?」
「まあな、それがダンジョンのファクター効果だ。”日”の効果であたしのダンジョンのモンスターのコストが2倍の代わりに、太陽に当たっているときのモンスターのステータスと士気上昇が2倍になるって奴。まあ、バンパイアは昼は皮膚が焼けて能力が低下するので、太陽に皮膚さえさらさないなら、普通に生きていけるのさ。」
これもよくあるあれか、日光を克服したヴァンパイアって事か。これも異世界転生定番のあれだよね。
「一応体術には覚えがあるから…ある程度はどうにかなる、ただし大軍は無理だけどね。」
「…ただしコスト2倍…。」
「そ、そこが欠点って奴よ。ゴブリンも高いからね。とりあえず上の入り口…開けてくれる、そっちに何かあるまでモンスター・・・の死体売るわ。ナオ君から預かった奴。」
まずそれからやった方がいい、今後を考えても。我慢する。これが必要なら!




