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はじめてのまおう~《勇者に俺ツエーさせるRPG》   作者: どたぬき(仮)
第4章 魔王による勇者プロデュース
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6-32 リンシュメルトは恋の予感

「すげえな…。」

 ヨミが前見た”聖女の安息所”に来るとそこには人の行列と…それに見た事もないくらいに巨大な都市がそこにあった。白い壁とそれに包まれた、その壁より大きな建物の数々。

「で、この行列は何だい?」

 近くを通る人に声をかけると、その顔は微笑みだった。

「ああ、聖女様が皆を助けてくれて。でその聖女様がここに住んでると聞いて。できただ。であれはここに住みたい連中の行列や。なんかとんでもないらしいで。」

 おっさんはそう言うと、列の向こうを見る…あの様子だと一日かかる…あれ?

「脇は何だい?結構通るようだけど。」

「ああ、あれは中の見学や。中に人はおるんやけど見学するだけならだれでもすぐに通れるねん。」

「あいよ、住むにしても一度見てみたいからね、先に行くよ、ありがとよ。」

 そう言うとヨミは脇にずれ、歩いていった…が一応持っているギルドの金カードを見つめるそこには。

『聖女の安息所がスタンピード起こす可能性あり。各員はエルシュウッド集合。』

 と書かれていた。まあ、結構かかったが、後は、安息所の奥まで行く…物陰に隠れると、いつもの魔力体で、自分の色を薄くし、物体を透過…。

「透過できない?」

 そのままの状態で触ると、普通に壁の弾力がある。

「仕方ないねえ…。普通に行くか…。」

 周囲を見渡しながら…歩いていく。今まで彼女はいくつもの都市を見てきた。だがここまで巨大で荘厳な建物の数々は、見た事もなかった。一個一個が物語に出る綺麗な建物だった。

「何だここ…前はここ森だったよな?お、いたいた。」

 少し歩くと金髪の兵士が直立不動で立っていた。

「すまないがここに聖女はいるかい?」

「はい。ご用件をお伺いしても?」

「ヨミに会いに来た、地下室に言われて。と言えばわかると思う。」

「分かりました。少しお待ちを。」

 そう言うと兵士は奥に行った…。それに伴い、もう一人がやってきて、こちらを見張っている。

「練度はあるようだね…。」

 でもこれ…そういえば聖王国にようこそとか・・・。

「ようこそ、と言った方がいいのかな?」

「ハーリス。」

 金髪の少女が…いつもと一緒の服で来ていた。ヨミは実際ハーリスとタッグだったといっていいほどの仕事仲間だった。

「認識阻害は機能していないようですね。よかった。」

 その言葉にぐっと涙が出そうになる。

「お久しぶりです。こちらに…。マスターがお待ちです。」

 少し奥に行くとそこには謎の扉が置かれ…その奥は倉庫を思わせる部屋に扉が4つ、付いていた。中央にはテーブルと、向かい合う椅子があり、そこに一人の…覚えがある。

「ナオ…。」

「久しぶり・・・でいいんだよね?」

「ああ、久しぶりだ。我が主。」

 そして、ナオの前につくとヨミは膝まづく。

「それは…。」

「好きじゃないのは、分かっているけどさ、今はさせてくれねえか?やっと見つかったんだから。抱きしめたいもあるが…今はこうして、いたいんだ。」


「お久しぶりです。」

「南ちゃんか。」

 ヨミも顔は知っていたようだ。覚えていてよかった。魔王軍のメンツの前だと影が薄くて覚えてないと思った。

「で、この女は?」

 南の脇の男が言う、

「うーん、元部下というか、」

「はい、ダンジョン配下を確認。現在はこちらのユニーク扱いになってます。それに伴い、ナオのユニークスロットが1つ解放されました。」

「あたいはヨミ、今は元か…元魔王軍情報統括。で主にスパイって奴だな。で今はナオの部下だ。って事になってるよろしくな。」

「よりょしきゅ。」

 シャラも挨拶する。

「あ・ああ・・ああ・・・・ああああ・・・・」

「ん?おっさんどうした?」

「け、け、結婚してください!」

「「「えぇーーーー!!」

 ナッツの顔は赤く、すさまじい緊張していた。

「い、いや、いやいやいや、ちょっと待てナッツ。」

「いやいや待たねぇ。こんな美人初めて見た。しかもこれは!}

「そういうないわけじゃないけどよ?あたい美人じゃないぜ?な。ちょっと落ち着こうか。」

「あ、いや、ああ、ああぁ、俺、俺は夏目っていうんだ。すまない、あまりの事に自己紹介忘れてた。名前も知らない奴の事なんか、気にもかけないよな。」

 そう言うと思いっきり全力でナッツが頭を下げる。

「いや、そういう訳じゃねえけどよ?言われたのも初めてでつい…。あたいも悪かったから。」

「おっしゃんぎゃきょこまで慌てりゅ初めちぇ見た。」

 そう言い、いつもは背負われているシャラがナッツの背中からはい出し・・・ミイに持ち直して…あ、変身した。

「よく分かんねえけどさ、ヨミって…。」

 元のぶっきらぼうな格好というか、前世がこれだったんだろうな・・。それがのぞき込むようにヨミを下から見上げる。

「ヤンママだよな。タイプ的に。で、それがおっさんのストライクってわけだ。」

「あ、いや、ああ、な。」

「そ、そうなのか?」

 二人が顔を赤くして、しどろもどろだった…話が進まない。

「とりあえず落ち着きましょうか?」

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