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はじめてのまおう~《勇者に俺ツエーさせるRPG》   作者: どたぬき(仮)
第16章 ガチャガチャマスター(第一編)
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27-夏SP15 本物とは違うが本物に近い味。

「へぇ…そんな事が…。」

 この冷やしイチゴゼリー完成後…楽園からの問い合わせに…僕が答える形で魔王城で試食会が行われた。

「これ、まんま…イチゴゼリーじゃないですか、勇者に見つかったら…利用され尽くされちゃいますよ。」

「いいと思うよ。それもね。それはそれでモンスターの価値が上がるじゃん。それに分裂はついてるから、養殖ゼリーも作れるよ。」

「でもゼラチンが4Fですか…寒天、煮凝り…色々作れます。幅も広がりますが…しかも暖の迷宮だけですよね。」

「寒の迷宮の奥は冬山だからね。冬の海はハードすぎるって事で無しになってる。」

 綾香ちゃんや春宮一家全員が、甘味に舌鼓をうってる。ネルも無言でぱくついている。

「でも貧困層対策ですか…薄利多売ってこっちでもやってますが、ライバルも多いんです。千鳥万花は本当に厄介な方々です」

「そう言われても、その競争で実際冒険者という出稼ぎが儲かっているんでしょ。いい事じゃん。」

 南さんは作戦の成功に上機嫌だが…複雑な顔だ。

「でもさ…。これが忌避されるとか、考えて無かったわ。、」

「色らしいね。血の色とか、後高額取引される木苺を食われた…そんな色に見えるらしくて。で、憎さ100倍って感じ。だから感情論的にこのスライムは受け入れられなかったんだと思う。」

「…木苺味じゃない?」

「ネル様、本当はこれなのです。」

 そう言って取り出したのは、かなり大きめのイチゴだ。

「ダンジョンで地球の食べ物再現プロジェクトで作られたイチゴでございます。木苺の大きく実が成る木を交配させて…作ったという…品種改良された末の地球の食べ物”イチゴ”です。どうぞ。」

 一語に…練乳ミルク迄付けたイチゴを食べる。

「これは…甘酸っぱい…ですね。」

 リーメ君がゆっくりと食べている。

「ちゃんと熟したイチゴはそれはもう格別の甘みで、砂糖を加えずとも甘く…それだけで御馳走です。それで作りました…向こうの試供品を使った本当のイチゴゼリーでございます。」

 綾香さんが出してきたのはイチゴが丸々一個入ったぜりーだった。食べてみると、無茶苦茶甘い。その上にほのかに酸っぱさが目をはっきりさせる。

「…これ!」

「これは俺はあれだな駄目だ。腐った肉を思い出しちまう酸っぱさだ。

「鬼ちゃんはだめなの?」

「俺はな。だけどいいと思うぞ。」

 どうも味覚が違うらしいが、おおむね好評だ。

「でもスライムをゼラチンにというネタは結構あるはずなんですけどね。」

「一応素材のみという事で、ゴムスライムの企画もあったらしいけど、食用と紛らわしいという事で。ダメだった。」

「それは向こうも喜びませんか?」

「欠点が二つあってね。一つは食べ物と勘違いするって言ったけどもう一個はゴムの密度がダメでスライムは一定以上の濃度になると体を割ってでも薄くするんだ。だから柔らかい輪ゴム程度のゴムなら何とかできるが…加工もしずらくパッキンへの加工も駄目だったみたい。・・・これと一緒で石油製品のスライムも…どれをとっても製品化が無理な濃さにしかならず、とん挫したってさ。」

「思ったよりいろいろやってますね。そういう意味ではスライム…の商用活用はきつそうですね。」

「まあ、ゼラチンができただけでもうれしいと思わないとね。」

「そうなのです。スライムは活用される…いい生き物なのです。」

 もくもくとスライムを食べていたエレノアもミーアも、感動している感じだった。

「…でも難しいですね、開発というのは…。」

「うまくいくばっかりが仕事じゃないさ。それに…いろいろ頑張ってみないとね。」

 ダンジョン的夏休みの風物詩として、ゼリーが広まる未来は…あったりするのかもしれない。

これで夏SP”夏は縁側でゼリーを一口”が終わります。ありがとうございました。次回からはGGMの続きである”GGM、都市スタンピード編”となります。これからもよろしくお願いします。

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