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はじめてのまおう~《勇者に俺ツエーさせるRPG》   作者: どたぬき(仮)
第16章 ガチャガチャマスター(第一編)
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27-夏SP13 これはジュースではありません

 南さんの方がダンジョンの調整を行い…1Fに秋の木の実と春の実を設置して…また4Fはまだ稀だけど4Fにも設置した。そして準備する事…20日後。報告と試作品がやってきた。

「これがねぇ…。」

「一応雑貨店には並べるよ、新製品だからね。」

「乾燥させてあるの?」

「うん、食べたら相当濃い。しかも結構安っぽい。で、メールによると、まだ色んなスライムの作成を…実験してるみたい。」

「まずはイチゴ味ね。」

 僕は、置かれた…たくあんみたく見える赤っぽい干しスライムの…かなり濃密で固い。そう依頼した実験はゼラチンの海藻とゼラチンで作られた食品の合成だ。味付きゼラチン

・・・ゼリーなら食べれるんじゃないのかって思ったんだ。案の定食べれるらしい。ただし育成10日目の野生のゼラチナスに言われた通りのスポナー記述”イチゴと海藻だけを食べる”と記述した所…イチゴのヘタ迄食べてしまったり、まだ身が白いうちの全然熟れていないイチゴも食べてしまい失敗した事…そして熟したイチゴだけとか様々な実験の末色指定が限界だったことが分かった。”赤いイチゴと海藻だけを食べる”が命令の限界だったらしい。ただしいくつもの欠点があり、一応…自壊命令も入れておく方がいいらしい。

「で、これがパイン味…。ではないわね。」

「それはパインゼリー味。」

「…意味わかんない。」

「これはある意味難しすぎて…ダメだったんだ。」

 実は夏のエリアでパインを置いて。パイナップル味のゼラチンスライムを作る計画だったがこれはだめだった。スライムの力ではパイナップルの皮を破る方法が無くて駄目だったので…レポートによると、パインの液を飲ませても味が付かないから。パイン濃縮液を作ってそれにゼリーを混ぜてそれを食わせてどうにか完成したのがパインゼリー味のスライムだった。本物のパインだと味が薄くて駄目とか、大変だな。

「一応、後はリンゴも失敗と。」

「あっちは濃縮しても味が普通のゼラチナスと変わらないらしくて、一応試作品がこれだって。」

 確かに普通のゼラチンと変わらん外見だ。というかこれ…。お、確かにリンゴの味はするんだ…だけど干されたこれは…

「うーんこれ。普通のゼラチナスと、外見変らなくない。」

「だよね。一応作ってみたオレンジは…油分強すぎて駄目だったみたい。ゼラチンと反発するから…オレンジゼリー味だって。」

「んー。これもダメね。」

「木の実も試してみたけど…ゼラチンの意味が無かったって。」

「そうなると実用はイチゴとパイン?」

「という事になるね。」

 なんか、開発もよっぽど味に…。

「後これ、ちょっと複雑なのがこれ。」

「ブドウだっけ?」

「これは品種の関係で試作が失敗したってある。後ブランデーに使ってる小麦もダメ。後…なんか、発酵の方が早くてこれになったと証明するって意味でこれだって。」

 紫色…じゃないな、どうも皮迄食わせたはずだが、少し緑が勝ったスライムボディの…乾いた…ブドウスライムだ。

「これさ…ワイン?ボンボン?」

「そういう意味ね。駄目だわ。これ。これこそ珍味になるけど、取っておく?もう少し世話してみたい。」

 ブドウスライムのはずなんだが、スライムの体内の菌で発酵してワインみたいな味になっている。かといってアルコール分だけがあるという感じの苦みで…ワインの発酵にあるような木樽の味や旨味はない。単に酒精のある雨水ぶどうジュース感ある味だ。

「まずいの?」

「隣の国の奴でしょ、あえてダンジョンには出してないの。国の関係保全のために。だから駄目よ。」

「ああ、そういう訳ね。」

 エクトネーゼの中央付近ではいろんなブドウの生産がゴブリン村主体で行われていて、今回向こうに頼んで一つ貰ってきて…試作品がこれだ。でもダンジョンで出すというとその特産品を潰すことになり…お互いが険悪になると分かっている。そういう感じだ。

「まあ、ワインの塾生はいろいろあって、難しいのよ。それもあってね…。」

 一応リンシュメルトでも…ワインは一部で作っているが。あんまりワインは芳しくない。主に樽の…旨味形成の部分がうまくいかず、うまいワインが作れないらしい。

「となると…使えるのが、木イチゴかな、当初の予定通りの。だけど…問題は外注扱いされそうなのよね。」

 一応言っておくとダンジョンのモンスターはスポナーで配置した場合、スポナーにある文章通りに動くが、それ以外は普通に生きている。スポナーで産んだモンスターのすぐそばには食事を置いておかないと死んでしまいモンスター全体の忠誠度が下がる。なので当然イチゴゼラチナススライムとか作ったら傍にくい物となるイチゴや海藻を置かないと、飢え死んでしまう。そしてもう一つ研究で分かってきたのはドロップの確立と空腹度の差だ。どうもお腹がすいているモンスターを倒しタラドロップ率がこっちの想定より下がるらしくて…それを考えても…餌は必須となっている、その分維持費が上がってしまう。それがつらいね。

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