27-夏SP9 世界を救う普通のプリンの物語
「どういう意味よ!」
「こういうのは、囚人食の…リビドーって奴だわさ。」
「なにそれ?」
「刑務所で時々…気の利いたおかずを出すと…それに満足して…優しくなるって話だわさ。後は甘い物とか…金額に会う様にそれなりの食事、日本の囚人は実は再犯率を下げるべくあらゆる努力をしてるだわさ。」
「意味わからないわ。それどんな意味よ!」
「ちょっと‼南さん!」
「…少し落ち着くことを覚えるだわさ。常にその人のことを考えるなら…冷静に…そして、勢いだけで速攻で動くことをやめるだわさ。」
今回の会議場所は珍しくバラン城という…鳥海さんの職場である”防衛大臣室”だ。ついでに個の隣の部屋には死ぬ気で働いている会計さんたちがいる。というかここも意味が分からん配置だ。
「どういう意味か、説明してもいいんじゃない?」
「だって、炊き出ししてるだわさ。そこにおまけをつけるだけでいいだわさ。」
「は?」
「炊き出しも…変に豪華にすると、怠惰になるだわさ。だけど一品、何かおまけをつけたり…そういうちょっとした小さい幸せって奴を重ねるだわさ。」
「小さな…幸せ。」
「働かないというのは…働いている市民との格差なので、そこはできるだけ小さい方がいいだわさ。週一回の炊き出しもそうだわさ。できれば…材料も孤児院の人たちに托鉢ヨロシク…各所に行ってもらいに行く方がいいだわさ。その景色を見せるだわさ。…後絶対にスラムでは極秘に警備もつけるだわさ。」
「どうしてそこまで…。意味が分からない。」
「まず、不満を解消させるということが大事だわさ。その為に欲しいのは…努力している”姿勢”だわさ。それで…贅沢への寛容さと…後はスラムの連中に”物がない”と思わせる事で連帯感を生ませるだわさ。」
「…単に施すじゃあだめなの?」
その意見の方が分かる。
「止めはしないだわさ。だけど…今のところ最悪…聖女教の気まぐれに付き合ってやってるんだ感が溢れてるだわさ。しかも6日間も食っていない奴がいるかもしれないと思うと…本当にポーズだけだわさ。」
その言葉に、ちょっとショックを受けた感じだった。
「でもさ、プリンって…。」
「というか、300円の食費に、+100円の豪華な品って感じだわさ。そう言う物を開発してはどうだわさ?」
そういうのは確かにないね。ちょっとしたぜいたく品である。
「出来れば、ダンジョンからそこそこドロップさせるとイメージがいいだわさ。」
「そっちにはあるの?」
「ウサギの尻尾だわさ。」
「なにそれ?」
「ああ、買い取りでウサギの尻尾とかを職員の好みで一品選んで、買い取り強化してお小遣い上げてるだわさ。」
「いろんなのあるわね。」
「ダンジョンは、与えるだけではダメで、かといって支配だけでは着いてこないだわさ。幸せな事を目指して欲しいだわさ。」




