27-夏SP8 貧困対策は常に世界の難題です。
まずは、市場調査だが、今回はハーリスが行う。僕は雑貨屋に帰る。…冷たく聞こえるだろうが…役割分担だが、違うのは…彼女の目を通して、ダンジョン内に作ったモニターに視界と音声情報を受け取りつつ…ギルドカード経由で通信を行い、リアルタイムで通信しながらの情報収集だ。ハーリスは…さらにハーリス自体は最新版”闇魔法”に付属された影分身に数多くの連携を使い…ほぼ人間と変わらない外見にして、複数の男女で調査を開始した。影分身は…欠点がある魔法で、影分身を展開させる代わりに、その操作は自分の
前感覚を使うために移動や感知が…本体自体出来ず…これを起動している間はこれ以外の影系スキルは使えない。一応自分の射程範囲内なら…。自分の体から魔法を使う分はどうにかなるが、その範囲を通り越すと使えなくなるが…ハーリスはダンジョンコアであり…領域は全世界に及ぶ。だからこそ、射程は無制限だからこの制限はないに等しい。
「ふむ…。」
どうも、子供自体は…200人くらい居るみたいだ。というか、今いる子たちの多くは親から離れられない…子供ばかりだ。そして、お祭りとかイベントを考えたが…どうも、僕の企画力で出せるどのイベントでも…この子達の為にならない。その多くは…毒親と言っていい子供たちの親たちが…ちょっと僕の親を思い出させる程度には腐った連中だからだ。確かにスラムは助けないといけないが、これを助けると思うと、イラっと来るものもある。だが…この子達に罪はない・・・。だからこそ考えないと…。
それから一週間たったが、なにもいい手を思いつかなかった。みんな外出してないなら…いや、こういう時は新メンバーとか、会議のメンバーに聞いてみるべきか…。
「ふぁ?、俺達か…。無理。」
相良さんに聞きに行った第一声がこれだった。
「なんで?」
「大方何やっても無駄だ。俺の知り合いの娘って奴だが…似た話を聞いたことがある。結局逃げれたのは…親が死ぬか…親が捨てるかだ、しかも親がその子を売るつもりで金にするかもしれんのだろ?その子だけ救うなら…今のうちに全員買った方がいい。かといって…そいつらが子供をもっと産んだらその子も救うのか?」
…。確かに。
「でもイベント程度でも…と言っても問題なんだ。連中は生きるためにすべてを捨ててるんだよ、スラムってのはな。それこそ情けも…親としての心も優しさもだ。」
「なんか嫌なことあった?」
メリルさんも心配そうに相良さんを見つめる。僕のいる位置は…運航中の飛鳥の上だ。船長室というかそう言うエリアにある…面会用ルームだ。
「んー。本当に親戚に近い奴がいてな、そいつがそうだったんだ。俺が見ても気の毒だった。だがな…手を出せばどっちが悪いってなっちまうんだ。手を出した正義感もその子には育ててもらっただけ、その子には親になついてるってこった。んで、そう言う親って欲の皮がひたすら突っ張ってるから…。子供だけに施しをしても…親が奪っちまうんだ。だから忘れちゃあならねぇ…。そういう奴の…塊がスラムなんだ。」
「何もしない方がいいの?」
「俺が南の奴を説得しても無駄だと思う。そうだな、こういうのは鳥海に聞いてみろ。うちの社長じゃあ、変な事にこじれるからよ。」
「わ、分かった。」
なんか、否定的な意見が多いぞ。
「うーん。やるなら、プリンだわさ。」
は?意味わからん。鳥海さんにアポを取って、南さんを説得してもらうように…一緒に来てみて、第一声がこれだった。




